“はがゆ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
歯痒79.1%
齒痒14.8%
歯癢4.3%
齋痒0.9%
齒掻0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
U氏がコンナ事でYをゆるすような口吻くちぶりがあるのが私には歯痒はがゆかった。Yは果してU氏の思うように腹の底から悔悛くいあらためたであろう乎。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
鋭敏えいびん作用はたらきをすることがある………たとへば何か待焦まちこがれてゐて、つい齒痒はがゆくなツて、ヂリ/″\してならぬと謂ツた風にさわぎ出す。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
く春廼舎の技巧や思想の歯癢はがゆさに堪えられなくなった結果が『小説神髄』の疑問の箇処々々に不審紙をったのを携えて突然春廼舎の門を叩いた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
見ると、奉公人の私でさへ齋痒はがゆいと思ひます。丁子屋家付きの娘で、旦那は小糠こぬか三合の入聟ですもの、あんなに小さくなつて居なくたつて宜いやうなものですが——
宗助そうすけはたゞ惘然ばうぜんとした。自己じこ根氣こんき精力せいりよくらないこと齒掻はがゆおもうへに、夫程それほど歳月さいげつけなければ成就じやうじゆ出來できないものなら、自分じぶんなにしにこのやまなかまでつてたか、それからがだい一の矛盾むじゆんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)