トップ
>
歯癢
>
はがゆ
ふりがな文庫
“
歯癢
(
はがゆ
)” の例文
ビアトレスは眼を閉じて、軽卒にも知らぬ男の電話にかかって、此ような旅館へ監禁された不甲斐なさを、今更のように
歯癢
(
はがゆ
)
く思った。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
左
(
と
)
に
右
(
か
)
く春廼舎の技巧や思想の
歯癢
(
はがゆ
)
さに堪えられなくなった結果が『小説神髄』の疑問の箇処々々に不審紙を
貼
(
は
)
ったのを携えて突然春廼舎の門を叩いた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
死灰
(
しかい
)
の再び燃えぬうちに、早く娘を昇に合せて多年の胸の塊を一時におろしてしまいたいが、娘が、思うように、如才なくたちまわらんので、それで
歯癢
(
はがゆ
)
がって気を
揉
(
も
)
み散らす。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
原ともあろうものが今から年をとってどうする、と彼は歩きながら嘆息した。実際相川はまだまだ若いつもりでいる。彼は、久し振で出て来た友達のことを考えて、
歯癢
(
はがゆ
)
いような気がした。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故東京浅草の方にあった書斎を移して持って来たような心で、二年でも三年でも巴里の客舎に暮せないのか、それは彼には言うことが出来なかった。
歯癢
(
はがゆ
)
い心持で、自分の下宿を出て見た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
歯
常用漢字
小3
部首:⽌
12画
癢
漢検1級
部首:⽧
20画
“歯”で始まる語句
歯
歯痒
歯牙
歯噛
歯齦
歯朶
歯軋
歯並
歯咬
歯切