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撼
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うご
ふりがな文庫
“
撼
(
うご
)” の例文
踔厲風発
(
たくれいふうはつ
)
、説き来り説き去って、拍手喝采四壁を
撼
(
うご
)
かす時、傍聴席上の一老僧はソーッとハンケチをポケットから引出して目に押当てた。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
我こそと
己惚
(
うぬぼれ
)
の鼻を
撼
(
うご
)
めかして煩さく嬢様の
許
(
もと
)
へやつて来たのは
斯
(
か
)
ういふ連中だ子。どれも之も及第しさうもない若殿原だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
激戦、及びその前後に相ついで起こりし異常の事と異常の感は、風雨のごとくその心を
簸
(
ふる
)
い
撼
(
うご
)
かしつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
淋
(
さび
)
しい
内
(
うち
)
にも
春
(
はる
)
らしい
空氣
(
くうき
)
が
凡
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
を
撼
(
うご
)
かした。
日
(
ひ
)
はまだ
南
(
みなみ
)
を
低
(
ひく
)
く
渡
(
わた
)
りながら
暖
(
あたゝ
)
かい
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
まして不学凡才の身を以て運命を論じたり、運命を測知しようとするが如きは、蜉蝣といふ虫が大きな樹を
撼
(
うご
)
かさうとするに類したもので、甚だ詰らぬことであります。
運命は切り開くもの
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
道也先生は予言者のごとく
凜
(
りん
)
として壇上に立っている。吹きまくる
木枯
(
こがらし
)
は
屋
(
おく
)
を
撼
(
うご
)
かして去る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
待ち
設
(
もう
)
けても今更人の心魂を
駭
(
おどろ
)
かす大砲の音が、家をも我等の全身をも
揺
(
ゆ
)
り
撼
(
うご
)
かして響いた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
危
(
あぶ
)
ないと車掌が絶叫したのも
遅
(
おそ
)
し早し、上りの電車が運悪く地を
撼
(
うご
)
かしてやってきたので、たちまちその黒い大きい一塊物は、あなやという間に、三、四間ずるずると
引
(
ひ
)
き
摺
(
ず
)
られて
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「優艶天地を
撼
(
うご
)
かす」といふ語
少
(
ち
)
と変な語なれども、その意を察するに優美なる事をいふならん。支那の語にて優美なる詩が天地を撼かすとはいふまじと思へど、それも言葉
咎
(
とが
)
めに類すれば言はず。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
社会を
撼
(
うご
)
かすは決して一個人の力にのみ依頼すべからず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この山を揺り
撼
(
うご
)
かして
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
此山
(
このやま
)
を
揺
(
ゆ
)
り
撼
(
うご
)
かして
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「人を
屠
(
ほふ
)
りて
餓
(
う
)
えたる犬を救え」と雲の
裡
(
うち
)
より叫ぶ声が、
逆
(
さか
)
しまに日本海を
撼
(
うご
)
かして満洲の果まで響き渡った時、日人と露人ははっと
応
(
こた
)
えて百里に余る一大
屠場
(
とじょう
)
を
朔北
(
さくほく
)
の
野
(
や
)
に開いた。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女はその雑誌に時々所感を寄する
信州
(
しんしゅう
)
の一男子の文章を読んで、其熱烈な意気は彼女の心を
撼
(
うご
)
かした。其男子は良人の友達の一人で、稀に信州から良人を訪ねて来ることがあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
毒々しい黒煙りが長い
渦
(
うず
)
を
七巻
(
ななまき
)
まいて、むくりと空を突く
途端
(
とたん
)
に、碌さんの踏む足の底が、地震のように
撼
(
うご
)
いたと思った。あとは、山鳴りが比較的静まった。すると地面の下の方で
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
撼
漢検1級
部首:⼿
16画
“撼”を含む語句
震撼
喧騒震撼
撼動
撼揺
震撼的