“低徊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ていかい90.5%
ていくわい9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ハイドンの『四重奏曲(作品三の五)』をたった一枚に吹き込むほど、低徊ていかい趣味や詠歎趣味に遠ざかった人たちであったのである。
彼女は夢のような幼い時の思出などにふけりながら、一時間にも近い間、父母の墓石の辺に低徊ていかいしていることがあった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
この三通りの浅草のうち、僕のもう少し低徊ていくわいしたいのは、第二の浅草、——活動写真やメリイ・ゴウ・ランドの小屋の軒を並べてゐた浅草である。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先に立つた見物人が足をとゞめてもとの墓地の名やたま/\ある墓標のぬしの姓氏を読んだり、又英米の旅客りよかくが自身の名を石壁せきへきの上にとゞめたりするので生きた亡者まうじやの線は幾度か低徊ていくわいする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)