“ていくわい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
彽徊60.0%
低徊40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戀々(れん/\)として、彽徊(ていくわい)し、漸(やうや)くにして里(さと)に下(くだ)れば、屋根(やね)、廂(ひさし)、時雨(しぐれ)の晴間(はれま)を、ちら/\と晝(ひる)灯(ひとも)す小(ちひさ)き蟲(むし)あり、小橋(こばし)の稚子等(うなゐら)の唄(うた)ふを聞(き)け。(おほわた)來(こ)い、來(こ)い、まゝ食(く)はしよ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
彼(かれ)は多(おほ)くの剥(は)げかゝつた社(やしろ)と、寂果(さびはて)た寺(てら)を見盡(みつく)して、色(いろ)の褪(さ)めた歴史(れきし)の上(うへ)に、黒(くろ)い頭(あたま)を振(ふ)り向(む)ける勇氣(ゆうき)を失(うしな)ひかけた。寐耄(ねぼ)けた昔(むかし)に彽徊(ていくわい)する程(ほど)、彼(かれ)の氣分(きぶん)は枯(か)れてゐなかつたのである。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この三通りの浅草のうち、僕のもう少し低徊(ていくわい)したいのは、第二の浅草、——活動写真やメリイ・ゴウ・ランドの小屋の軒を並べてゐた浅草である。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
先に立つた見物人が足を留(とゞ)めて故(もと)の墓地の名や偶(たま/\)ある墓標の主(ぬし)の姓氏を読んだり、又英米の旅客(りよかく)が自身の名を石壁(せきへき)の上に留(とゞ)めたりするので生きた亡者(まうじや)の線は幾度か低徊(ていくわい)する。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
※ンチ、バルトロメオ、ラフワエル、リツピ、チチアノ等の傑作の多い中に、チチアノの花神(フロラ)、ラフワエルの自画像、ヂヨツトのマドンナの前には暫(しばら)く低徊(ていくわい)せざるを得なかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)