“彽徊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ていかい84.2%
ていくわい15.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして彽徊ていかいした。けれどもそれより先へは一歩も進まなかった。彼は彼相応の意味で、この気味の悪い手紙を了解したというまでであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見えるとすれば、この間を隔たる幾日かの前後に、田山白雲を彽徊ていかい顧望せしめた、勿来なこそ平潟ひらかたのあたりの雲煙が見えなければならないはずだが
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかもその臆斷おくだんに、はらなか彽徊ていくわいすること馬鹿々々ばか/\しいのにいて、わすれた洋燈らんぷやうやくふつとした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その朝もやはりかう云ふでんで、いよいよ鐘が鳴る間際まぎはまで、見晴しの好い二階の廊下に彽徊ていくわいしてゐたのである。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)