“おぶね”の漢字の書き方と例文
語句割合
小舟100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれを可(ゆる)さざりき。渠の心は激動して、渠の身は波に盪(ゆら)るる小舟(おぶね)のごとく、安んじかねて行きつ、還(もど)りつ、塀ぎわに低徊(ていかい)せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
荒浪の上に揉(も)まるる棚(たな)なし小舟(おぶね)のあわや傾覆(くつがえ)らん風情、さすが覚悟を極めたりしもまた今さらにおもわれて、一期の大事死生の岐路(ちまた)と八万四千の身の毛よだたせ牙咬(か)みしめて眼(まなこ)を睜(みは)り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
風聞に拠(よ)れば総角(そうかく)の頃に早く怙恃(こじ)を喪(うしな)い、寄辺渚(よるべなぎさ)の棚(たな)なし小舟(おぶね)では無く宿無小僧となり、彼処(あすこ)の親戚(しんせき)此処(ここ)の知己(しるべ)と流れ渡ッている内、曾(かつ)て侍奉公までした事が有るといいイヤ無いという
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)