“捨小舟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すておぶね92.3%
すてこぶね7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこに、先刻の編笠目深な新粉細工が、出岬に霞んだ捨小舟という形ちで、寂寞としてまだ一人居る。その方へ、ひょこひょこく。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たよりなぎさの捨小舟……人間、別れる時に別れないのは未練で、あとが悪い、よくおっしゃいましたね、未練が残るくらいの別れは、本当の別れではないのよ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
身に何樣なる出世もなるを娘に別れ孫を失ひ寄邊捨小舟のかゝる島さへぞとりに泣沈めり寶澤は默然と此長物語を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)