“綾小路”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あやのこうじ50.0%
あやこうじ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綾小路あやのこうじらの公達きんだちを奉じて出かけたものもあるが、勅命によってお差し向けになったものではないとまで断わってある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
猪熊いのくまのばばは、口達者に答えながら、つえをひいて、歩きだした。綾小路あやのこうじを東へ、さるのような帷子姿かたびらすがたが、藁草履わらぞうりしりにほこりをあげて、日ざしにも恐れず、歩いてゆく。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
綾小路あやこうじさんがいらっしゃいました」と、雪はかごの中の小鳥が人を見るように、くりくりした目のひとみを秀麿の顔に向けて云った。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はたを織るおさの音が、この乱世に太平の響きをさせる。知らず知らず綾小路あやこうじを廻って見れば、田圃の中には島原のもやを赤く焼いている。