“猪熊”の読み方と例文
読み方割合
いのくま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
懸想した猪熊いのくまおじと懸想された猪熊のばばと、——太郎は、おのずから自分の顔に、一脈の微笑が浮かんで来るのを感じたのである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
乞食どもと滓湯酒かすゆざけを飲みわけたり、八条猪熊いのくまで辻君を漁ったり、あげくのはて、鉢叩きや歩き白拍子を邸へ連れこんで乱痴気騒ぎをやらかす。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ひと先ず、二条猪熊いのくまの文覚の宿所で旅疲れをいやした六代御前は、夜になると早速、母の所へ駆けつけた。