小匣こばこ)” の例文
「鍵を渡す。大切な預り金だけれど、満代の身には換えられぬ。鍵はこの次の間の、金庫の隣の箪笥たんすにある。上から三つ目の小抽斗こひきだしの、宝石入れの銀の小匣こばこの中だ」
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
帯の間から、小さい、紙の小匣こばこを取り出した。「快上快クワイシャンクワイ」だ。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
おれはこの小匣こばこ何処どこしまつたものか。
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
しんそこ冷え切つた朱色しゆいろ小匣こばこ
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)