“おおち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
邑智33.3%
大内16.7%
大市16.7%
大血16.7%
16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人麿が馬に乗って今の邑智おおち郡の山中あたりを通った時の歌だと想像している。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
芥田けた、満願寺、大内おおち、鴨谷などという所があるので、そんな言葉が生れたのであろう。これは自分の所はそれほど辺鄙ではないという、一種の誇りから生れたのであろうか。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
右大臣吉備真備は天武天皇の孫、大納言文屋浄三ふんやのきよみを立てようとした。然し浄三はすでに臣籍に下つた故にと固辞するので、その弟の大市おおちをたて、宣命も作られ、輿論よろんも概ね決してゐた。
道鏡 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
此春から大血おおち川の谷へ大勢の炭焼が入り込んで、沢山の小屋が出来たのだそうだ。これもその一である。此奥の谷にも二、三の小屋があるという。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
池について庭裏の森端もりはなまで進み、おおちの大樹の下闇の露もしとどなところにしゃがみこんでいると、月影も透かさぬほど密々と幹をりあった森の木の間から
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)