来青花らいせいか
藤山吹の花早くも散りて、新樹のかげ忽ち小暗く、盛久しき躑躅の花の色も稍うつろひ行く時、松のみどりの長くのびて、金色の花粉風来れば烟の如く飛びまがふ。月正に五月に入つて旬日を経たる頃なり。もし花卉を愛する人のたま/\わが廃宅に訪来ることあらん …
作品に特徴的な語句
便すなはち くわう こう 薔薇しやうび おほい こゝ 甘味かんみ こゝろみ はく にはか かく きやう さかり みづか いまだ だい うごか いへども 青苔せいたい たぐひ 一花いつくわ 一日いちにち ふぢ 躑躅つゝじ 花香くわかう 花心くわしん 花卉くわき 秣陵まつりよう 隈取くまどり はなはだ 滬上こじやう 三木さんぼく くだ 小暗をぐら ほのか 巴里パリー 座右ざう 唐本たうほん 金色こんじき 蝶影てふえい 訪来とひきた 詩歌しいか あまね くりや はぎ 長閑のどか かく うち 霖雨りんう 香風かうふう 丁香ていかう 黐木もち 憬慕けいぼ 浮来うかびきた 楽府がくふ 漏来もれきた 一度ひとたび 爪紅つまべに 来青らいせい きた 疎懶そらん 携帰たづさへかへ 奇花きくわ かならず 秦淮しんわい 素馨そけい しか 山吹やまぶき 茉莉まつり 檐辺えんぺん 将又はたまた