“花心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしん57.1%
くわしん28.6%
しべ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花心かしんのような唇、豊かな頬、かすかに上気した眼のふち、そのパッチリしたうるおいのある彼女の両のまなこは、階段のはるか下の方に向いていて動かない。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
花心くわしんだいにして七菊花の形をなし、臙脂の色濃く紫にまがふ。一花いつくわ落つれば、一花開き、五月を過ぎて六月霖雨りんうこうに入り花始めて尽く。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
青銅からかねのうす黒い花瓶の中から花心しべもあらわに白く浮き出している梅の花に、廓の春の夜らしいやわらかい匂いがあわくただよっていた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)