“憬慕”の読み方と例文
読み方割合
けいぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先考の深く中華の文物を憬慕けいぼせらるゝや、南船北馬その遊跡十八省にあまねくして猶足れりとせず、遥に異郷の花木を携帰たづさへかへりてこれを故園に移し植ゑ、悠々として余生を楽しみたまひき。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
願わくは古人を憬慕けいぼすることはいっそうせつに、かれらに模倣することはますます少なからんことを! ギリシャ国民の偉大であったのは決して古物に求めなかったからであると伝えられている。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
近頃四谷に移住うつりすみてよりはふと東坡とうばが酔余の手跡しゅせきを見その飄逸ひょういつ豪邁ごうまいの筆勢を憬慕けいぼ法帖ほうじょう多く購求あがないもとめて手習てならい致しける故唐人とうじん行草ぎょうそうの書体訳もなく読得よみえしなり。何事も日頃の心掛によるぞかし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)