-
トップ
>
-
豆洋燈
読み方 | 割合 |
まめランプ | 75.0% |
まめらんぷ | 25.0% |
と
聞分けもなく織次がその
袂にぶら下った。
流は高い。走りもとの破れた
芥箱の
上下を、ちょろちょろと鼠が走って、
豆洋燈が
蜘蛛の巣の中に
茫とある……
次の八畳の間の
間の
襖は
故意と一枚開けてあるが、
豆洋燈の火はその
入口までも
達かず、中は
真闇。自分の寝ている六畳の間すら
煤けた天井の影暗く
被い、
靄霧でもかかったように思われた。
手早く
豆洋燈に火を移しあたりを見廻わすまなざし
鈍く、耳そばだてて「我子よ」と呼びし声
嗄れて呼吸も迫りぬと
覚し。