はふ)” の例文
かくの如く山伏にはむづかしき事の御座候よし兼て師匠ししやうより聞及び候に私事は未だ若年じやくねんにて師匠の跡目あとめ相續の儀は過分くわぶんの儀なれば修驗のはふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こと青年輩せいねんはい身心しん/\發育はついく時代じだいにあるものには、いまよりこのはふ實行じつかうして體力たいりよく培養ばいやうし、將來しやうらい大成たいせいはかことじつ肝要かんえうならずや。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
旗野の主人あるじ血刀ちがたなひつさげ、「やをれ婦人をんなく覚めよ」とお村のあばら蹴返けかへせしが、くわつはふにやかなひけむ、うむと一声ひとこゑ呼吸いきでて、あれと驚き起返おきかへる。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なんだと畜生ちくしやう!』と、此時このときイワン、デミトリチはきふにむツくりと起上おきあがる。『なん彼奴きやつさんとはふがある、我々われ/\こゝ閉込とぢこめてわけい。 ...
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
衞國ゑいこくはふひそかきみくるまするものつみ(一〇七)げついたる、すでにして彌子びしははむ。ひとき、いてよるこれぐ。彌子びしいつはつてきみくるましてづ。
はふ道理だうり無茶苦茶むちやくちや犬畜生いぬちくしやうのやうなこゝろであらう、此樣このやうないたづらの畜生ちくしやうをば、御存ごぞんじのこととててんにもにもいかのやうに可愛かあいがつてくだすつて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
總説 石片に鋭利えいりなる刄を設くるに二はふ有り。一は打ちき或は壓し缺くはふにして、斯くしてつくりたる石噐せききことは前項に記したり。他の一はふは研ぎ磨くはふなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そして裁いて下さい、福音の僧とはふの人とで、そして憶えて下さい、あなた方が裁くその裁きによつて、あなた方が裁かれるのだといふことを。行つて下さい。
如何いかいやしうても大事だいじない、一思ひとおもひにはふいか?……「追放つゐはう」……「追放つゐはう」でころさるゝのはおれいやぢゃ! おゝ、御坊ごばうよ、追放つゐはうとは墮獄だごくやからもちふることばうなごゑ附物つきもの
学士がくしですのなんのと云ツたところ味噌摺みそすりはふらずお辞義じぎ礼式れいしきじゆくせざれば何処どこいつてもけいしてとほざけらる〻が結局おちにてだしもけいさるゝだけをとくにしてめてもの大出来おほできといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
「鉄幹君に酬ゆ」の篇には「めとらずかず天童てんどうきよきぞはふと思ふもの」
『行く春』を読む (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
大陰暦たいゝんれきつき目當めあてにしてさだめたるこよみはふなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
をしへずしておのづかはふたり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
もどせ/\と逆飛雲ぎやくひうんはふ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
申氣の如何にこるとて此手先と我と我が手に喰付くひつきしが覺悟を極め此おもむきを御番所へ自らうつたおほやけの御はふどほりに御仕置を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ばんもお總菜さうざいさけ退治たいぢた、北海道ほくかいだうさんである。ちやうけに岡山をかやまのきび團子だんごべたところで、咽喉のどつまらせるはふはない。これしかしながらたびこゝろであらう。——
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
孫子そんしいはく、『約束やくそくあきらかならず、申令しんれいじゆくせざるは、しやう罪也つみなりすですであきらかにしてしかはふごとくならざるは、吏士りし罪也つみなり』と。すなは左右さいう隊長たいちやうらんとほつす。
ひと使つかはふをもりやがらない、んだお老婆ばあさんはあんなのではかつたけれど、今度こんど奴等やつらたら一人ひとりとしてはなせるのはい、おきやうさんおまへ自家うち半次はんじさんをきか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美徳びとくはふあやまれば惡徳あくとくくわし、惡徳あくとく用處ようしょ威嚴ゐげんしゃうず。この孱弱かよわい、幼稚いとけなはなぶさうちどく宿よどれば藥力やくりきもある、いでは身體中からだぢゅうなぐさむれども、むるときは心臟しんざうともに五くわんころす。
彼は、私が世に立つて行く手段も講じないで、あんな風に、彼の處から出て行くといふはふはないと云つた。私は彼に私の意志を語つて置くべきだつたらう。私は彼を信ずべきだつたらう。
うすると此方こつち引手茶屋ひきてぢやや女房かみさん先方むかうしやくさはらせたから、「てますか。」とつたんだらう。てますかとつたものを、たれないとはふはない。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かへつて(四八)浮淫ふいんげて・これ(四九)功實こうじつうへくはふるをうれへ、以爲おもへらく、(五〇)儒者じゆしやぶんもつはふみだし、しかうして(五一)侠者けふしやもつきんをかす。
葬禮さうれいの納め物となすならば寺へこそをさめるはずなれ何ぞ燒場やきばへ納めると云はふあらんやサア尋常じんじやうに白状致せ不屆者めそれせめよと言葉の下より手先てさきの者共しもとあげて左右より彌十のもゝ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それが氣懸きがゝりゆゑ、おれゃもうけっしてこのやみやかたはなれぬ。そなた侍女こしもと蛆共うじどもと一しょにおれ永久いつまで此處こゝにゐよう。おゝ、いまこゝで永劫安處えいがふあんじょはふさだめ、憂世うきよてたこの肉體からだから薄運ふしあはせくびき振落ふりおとさう。
わしは一あし退すさつたがいかに深山しんざんだといつてもこれ一人ひとりくといふはふはあるまい、とあし爪立つまだてゝすこ声高こはだか
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其後そののち田常でんじやう簡公かんこうころすにおよんで、ことごと高子かうし國子こくしぞくほろぼす。じやう曾孫そうそんいたりて(三三)自立じりふし、いんせい威王ゐわうる。へいもちおこなふ、おほい穰苴じやうしよはふ(三四)ならへり。
しうと微笑ほゝゑみて、とききて跪坐ついゐたるをんなかへりみてふ、おまへをしへておげと。よめ櫛卷くしまきにして端坐たんざして、すなは攻守こうしゆ奪救だつきう防殺ばうさつはふしめす。積薪せきしんならて、あめしたくわんたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悼王たうわうもとよりけんなるをく。いたればすなはしやうとす。((呉起))はふあきらかにしれいつまびらかにし、不急ふきふくわんて、(一〇五)公族こうぞく疏遠そゑんものはいし、もつ戰鬪せんとう撫養ぶやうす。
はふはいまだ一個人いつこじん食物しよくもつ干渉かんせふせざる以上いじやうは、警吏けいりほどこすべき手段しゆだんなきを如何いかんせむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
んだことぢや、こんなあやしげなところへござつて、素性すじやうれぬふねるとはふがあるかい。おまけにお前様めえさま五位鷺ごゐさぎ船頭せんどうぢや……たぬきこさへた泥船どろぶねより、まだ/\あぶないのはれたことを。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)