“喰付”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くっつ30.0%
くつつ20.0%
くいつ10.0%
くいつき10.0%
くひつき10.0%
くらひつ10.0%
たべつ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敬太郎の方で須永の評判でも持ち出そうものなら、いつまででもその問題のあと喰付くっついて来て、容易に話頭を改めないのが例になっていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
相手あひてをんなとしは、むつばかりえた。あかはゞのあるリボンを蝶々てふ/\やうあたまうへ喰付くつつけて、主人しゆじんけないほどいきほひで、ちひさなにぎかためてさつとまへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「向う疵の兼」というのは恐ろしい出歯でばだから一名「出歯兼でばかね」ともいう。クリクリ坊主のおでこが脳天から二つに割れて、又喰付くいつき合った創痕きずあとが、まゆの間へグッと切れ込んでいるんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「放して頂戴ちょうだいよ。よう。放さないとこの手に喰付くいつきますよ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
申氣の如何にこるとて此手先と我と我が手に喰付くひつきしが覺悟を極め此おもむきを御番所へ自らうつたおほやけの御はふどほりに御仕置を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
第一、何処へかお出掛けになる時はいつでも俺がお伴を仰付あふせつかるから子、君達が指でもさせば直ぐワンと喰付くらひつく。麺包パンの一きれや二片呉れたからつて容赦は無いよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付たべつけの感情をおこし覚えずも悄然しょうぜんと萎れ返ッたが、又悪々にくにくしい叔母の者面しゃっつらを憶出して又熱気やっきとなり、こぶしを握り歯を喰切くいしば
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)