“くいつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クイツ
語句割合
喰詰35.7%
啖付14.3%
食付14.3%
咬付7.1%
喰付7.1%
喰積7.1%
食着7.1%
食詰7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかもそうした堅気かたぎの士族出が、社会の最暗黒面であるさと近くに住居して、場末の下層級の者や、流れ寄った諸国の喰詰くいつめものや、そうでなくてもやみの女の生血いきちから絞りとる
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
啖付くいついても大事ないかえ」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ところが、その安珍殿というのが、この上なしの野暮やぼで、一向いっこうお感じがない、感じないわけでもあるまいが、そこは信心堅固の山伏だ、仏法の手前があるから逃げる、姫様は離れない、寝るから起きるまで、食付くいつき通しで離れない」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
富「さ、わしの尻に尾付くッついてまいるのだよ曲ったら構わずに……其方そっちをきょと/\見て居ちゃアいかん、あ痛い、何だって私の尻へ咬付くいついたんだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「向う疵の兼」というのは恐ろしい出歯でばだから一名「出歯兼でばかね」ともいう。クリクリ坊主のおでこが脳天から二つに割れて、又喰付くいつき合った創痕きずあとが、まゆの間へグッと切れ込んでいるんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
喰積くいつみとかいうような物も一ト通り拵えてくれた。晦日みそかの晩には、店頭みせさきに積み上げた菰冠こもかぶりに弓張ゆみはりともされて、幽暗ほのぐらい新開の町も、この界隈かいわいばかりは明るかった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
身体の線の通りに、ピッタリ食着くいついた黒のシャツ、黒の股引ももひき、黒の手袋、黒の靴下、頭には黒布を被って、その黒布の両端が、ピンと二本の長い角となってはね上り、顔には無論マスクをかけている。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
中には江戸子えどっこで土地を食詰くいつめまして、旅稼ぎに出て来たというような職人なども居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)