“かみつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
咬付29.4%
噛着23.5%
噛付17.6%
囓付11.8%
噛附5.9%
火密5.9%
齕付5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遁出にげだすのを、もう是までと覚悟を決めて引戻す長二の手元へ、お柳は咬付かみつき、刄物をろうと揉合もみあう中へ、よろめきながら幸兵衞が割って入るを、お柳が気遣い
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
突如いきなり噛着かみつき兼ねない剣幕だったのが、ひるがえってこの慇懃いんぎんな態度に出たのは、人はすべからく渠等かれらに対して洋服を着るべきである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
少し間のびた顏をしてゐる者があツたら、突倒つきたふす、踏踣ふみのめす、噛付かみつく、かツぱらふ、うなる、わめく、慘たんたる惡戰あくせんだ。だからあせあかとが到處いたるところ充滿いつぱいになツてゐて、東京には塵埃ごみが多い。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お町も少しは安心いたしましたが、さりとて眠ることもならず、其の儘にしてること一日二日、いよ/\熊も囓付かみつく様子がありませんので大分気も落着きました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
暗がりをくわ楊枝ようじ、月夜には懐手で、呑気のんき歩行あるいてると、思いがけねえ狂犬やまいぬめが噛附かみつくような塩梅あんばいに、突然いきなり、突当る奴がある、引摺倒す奴がある、拳固でくらわす奴がある
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やまいを得るまえに最近仕上げた陣太刀づくりの大小を手にとり赤銅にむら雲のほりをした刀の柄をはずして、その中心なかごに後半の火密かみつを巻きこめ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
犬の人に齕付かみつきて却て夜を守らざるは、悪性の犬なり、不能の犬なり。然るに此悪性不能を牝犬の一方に持込み、牝犬の人を齕み夜を守らざるは宜しからずとのみ言うは不都合ならん。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)