咬付かみつ)” の例文
ことつたら、ひとたちのつてゐるしゆ御血汐おんちしほで、このなほるかもれぬ。おもふことも度々たびたびだ。このなら咬付かみつける。真白まつしろだ。
遁出にげだすのを、もう是までと覚悟を決めて引戻す長二の手元へ、お柳は咬付かみつき、刄物をろうと揉合もみあう中へ、よろめきながら幸兵衞が割って入るを、お柳が気遣い
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「オヤ免職に成ッてどうしたの、文さんが人を見ると咬付かみつきでもする様になったの、ヘーそう」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こは何事とおどろける貫一は、身をさくいとまもあらず三つ四つ撃れしが、つひに取つて抑へて両手を働かせじと為れば、内俯うつぷしに引据ゑられたる満枝は、物をも言はで彼のももあたり咬付かみついたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
曲「何故斬った、此の犬はおれ咬付かみついたから、ムヽ咬付かれちゃアならんから斬ったが何うした」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
夜々よる/\見廻った方がいと主人から言いつかりました、それにお手飼の犬とは存じませんで、檜木山の脇へわたくしが参りましたら、此の節の陽気で病付やみついたと見えまして、私に咬付かみつきそうにしましたから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)