食付くいつ)” の例文
阿呆鳥を釣るには、小さな板のうえに、餌のついた釣針を乗せて、浪の上に流してやると、阿呆鳥は、それに食付くいついてくる。それを釣るのだ。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
「ところが、その安珍殿というのが、この上なしの野暮やぼで、一向いっこうお感じがない、感じないわけでもあるまいが、そこは信心堅固の山伏だ、仏法の手前があるから逃げる、姫様は離れない、寝るから起きるまで、食付くいつき通しで離れない」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)