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氣懸
読み方 | 割合 |
きがか | 40.0% |
きがゝり | 40.0% |
きがゝ | 20.0% |
妻の
皓體が
氣懸りさに、
大盡ましぐらに
奧の
室へ
駈込むと、
漸と
颯と
赤く
成つて、
扱帶を
捲いて
居る
處。
物狂はしく
取つて
返せば、
畫師も
其の
畫も
何處へやら。
ロレ ならば、
此處にござれ。
予が
獨で
往かう。はて、
氣懸になって
來たわ。おゝ、こりゃ
何か
不祥な
事が
出來したのでは
無いか
知らぬまでい。
それが
氣懸りゆゑ、
俺ゃもう
決して
此暗の
館を
離れぬ。
卿の
侍女の
蛆共と一しょに
俺ゃ
永久も
此處にゐよう。おゝ、
今こゝで
永劫安處の
法を
定め、
憂世に
饜き
果てた
此肉體から
薄運の
軛を
振落さう。