“物狂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものぐる39.1%
ものくる21.7%
ものぐるひ17.4%
ものぐるい13.0%
ものぐるお4.3%
ものぐるはし4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物狂ものぐるわしいムク犬は、またしてもここを捨てておいて、土間を突き抜けて裏口へ廻ってそこで烈しく吠えます。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
つま皓體かうたい氣懸きがかりさに、大盡だいじんましぐらにおく駈込かけこむと、やつさつあかつて、扱帶しごきいてところ物狂ものくるはしくつてかへせば、畫師ゑし何處どこへやら。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
海棠かいだうの露をふるふや物狂ものぐるひ」の下にだれだか「海棠の露をふるふや朝烏あさがらす」とかいたものがある。鉛筆だから、書体はしかとわからんが、女にしては硬過かたすぎる、男にしてはやわらか過ぎる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
物狂ものぐるいといいながらも、そう乱暴をするような狂女ではなくって——たとえば謡曲『隅田川』の狂女のように
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
僕は里子をようして泣きました。幾度も泣きました。僕もた母と同じく物狂ものぐるおしくなりました、あわれなるは里子です。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
宮はひしぐばかりに貫一に取着きて、物狂ものぐるはし咽入むせびいりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)