物狂ものぐるひ)” の例文
海棠かいだうの露をふるふや物狂ものぐるひ」の下にだれだか「海棠の露をふるふや朝烏あさがらす」とかいたものがある。鉛筆だから、書体はしかとわからんが、女にしては硬過かたすぎる、男にしてはやわらか過ぎる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此表このへう、十四五日うち、世上物狂ものぐるひも、酒酔之しゆすゐのさめたるごとくに(後略)
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妻覓めまぎとも見む物狂ものぐるひ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
此表、十四五之内に、世上之物狂ものぐるひも、酒醉之醒たるごとくに(後略)
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)