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物狂
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ものぐる
ふりがな文庫
“
物狂
(
ものぐる
)” の例文
物狂
(
ものぐる
)
わしいムク犬は、またしてもここを捨てておいて、土間を突き抜けて裏口へ廻ってそこで烈しく吠えます。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
バル まゝ、お
耐
(
こら
)
へなされませい、
甚
(
いか
)
うお
色
(
いろ
)
も
蒼
(
あを
)
ざめて、
物狂
(
ものぐる
)
ほしげな
御樣子
(
ごやうす
)
、ひょんな
事
(
こと
)
でも
遊
(
あそ
)
ばしさうな。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
高徳のひじりが
物狂
(
ものぐる
)
おしゅうなったのは、天狗の
魔障
(
ましょう
)
ではあるまいかなどと、ひたすらに恐れられた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あたいの
父
(
ちゃん
)
はどこにいる、あたいのお
母
(
ふくろ
)
どこへ行った、で、あたしがネ、こう、手をかざして、お
父
(
とっ
)
ちゃんやお
母
(
っか
)
ちゃんを探してまわる
物狂
(
ものぐる
)
いのところね——何度やっても
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
世中
(
よのなか
)
が開けてからは、かりに著しくその場合が減じたにしても、
物憑
(
ものつ
)
き
物狂
(
ものぐる
)
いがいつも引寄せられるように、山へ山へと入って行く暗示には、千年以前からの潜んだ威圧が
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
いつも/\見捨てられはせぬかと、男の心の變動を疑ふ
物狂
(
ものぐる
)
はしい樣子とは全く變つて、
彼
(
か
)
の
女
(
をんな
)
は私が寧ろ氣味惡る氣に
目戍
(
みまも
)
る其の顏を見返して、問はるゝまゝに事情を話した。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
「
海棠
(
かいだう
)
の露をふるふや
物狂
(
ものぐる
)
ひ」と
真先
(
まっさき
)
に書き付けて読んで見ると、別に面白くもないが、さりとて気味のわるい事もない。次に「花の影、女の影の
朧
(
おぼろ
)
かな」とやったが、これは季が
重
(
かさ
)
なっている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その嬢子の親御で何とか云う老人がまだ生きていた時分は、もう人の顔さえ見れば、愚にもつかぬ夢物語を
真
(
まこと
)
しやかにふりまいていたと云うので、世間からはまるで
物狂
(
ものぐる
)
い扱いにされておりました。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
子を捨てて君に
来
(
きた
)
りしその日より
物狂
(
ものぐる
)
ほしくなりにけるかな
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
“物狂”で始まる語句
物狂敷