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哭
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なげ
ふりがな文庫
“
哭
(
なげ
)” の例文
「もし
魯粛
(
ろしゅく
)
が、例の問題を持出して、荊州のことを云い出したら、君には、声を放って、お
哭
(
なげ
)
きになられたがよいでしょう」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
左門
慌忙
(
あわて
)
とどめんとすれば、
陰風
(
いんぷう
)
に
眼
(
まなこ
)
くらみて
行方
(
ゆくへ
)
をしらず。
俯向
(
うつぶし
)
につまづき倒れたるままに、声を放ちて大いに
哭
(
なげ
)
く。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ちらと輝いた曙光は一まず消えてヨブはまた
元
(
もと
)
の
哭
(
なげ
)
きに入ったのである。さわれ曙光はたしかに現われたのである。これ見逃すべからざる点である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
彼の絶望と落胆は際限が無かった。久しぶりに
家
(
うち
)
に
還
(
かえ
)
って、何の愉快もなく、飯も喰わずに唯
哭
(
なげ
)
いた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ある若き牧牛人
蛇山
(
オツエザール
)
の辺に狩りし、友に
後
(
おく
)
れて
単
(
ひと
)
り行く、途上美しき処女が路を失うて
痛
(
いたく
)
哭
(
なげ
)
くに
遭
(
あ
)
い、自分の馬に同乗させてその示す方へ送り往く内、象牙の英語で
相惚
(
アイボレー
)
と来た。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
倉皇として奔命し、迫害の中に、飢えと孤独を忍び、しかも真理のとげ難き嘆きと、共存同悲の
愍
(
あわれ
)
みの愛のために
哭
(
なげ
)
きつつ一生を生きるのである。「日蓮は涙流さぬ日はなし」と彼はいった。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
玉
(
たま
)
の
姫樣
(
ひめさま
)
御出生
(
ごしつしやう
)
と
聞
(
き
)
きも
敢
(
あ
)
へず、
散
(
ち
)
るや
櫻
(
さくら
)
の
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
空
(
むな
)
しく
成
(
なり
)
ぬるを、
何處
(
いづく
)
に
知
(
し
)
りてか
六三
(
ろくさ
)
天地
(
てんち
)
に
哭
(
なげ
)
きて、
姫
(
ひめ
)
が
命
(
いのち
)
は
我
(
わ
)
れ
故
(
ゆゑ
)
と
計
(
ばかり
)
、
短
(
みじ
)
かき
契
(
ちぎ
)
りに
淺
(
あさ
)
ましき
宿世
(
しゆくせ
)
を
思
(
おも
)
へば、
一人
(
ひとり
)
殘
(
のこ
)
りて
我
(
わ
)
れ
何
(
なん
)
とせん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
イエス彼女の
哭
(
なげ
)
きと、彼女と共に来りしユダヤ
人
(
びと
)
の泣くを見て、心を痛ましめ身震いて言いけるは、なんじいずこに彼を置きしや? 彼ら言いけるは、主よ、来りて見たまえ。イエス涙を流し給えり。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
哭
(
なげ
)
くこと能はざりしを。
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
命に接するや孔明は天を仰いで大いに
哭
(
なげ
)
き、落涙長嘆してやまなかったという。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
故に彼は十三節以下においてまた
呟
(
つぶや
)
きと
哭
(
なげ
)
きとに入るのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
そしてさし昇る月を仰いで独り
哭
(
なげ
)
いた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
哭
漢検1級
部首:⼝
10画
“哭”を含む語句
哀哭
鬼哭
大哭
哭声
慟哭
痛哭
鬼哭啾々
号哭
悲哭
慟哭的
拝哭
哭泣
哭倒
酔哭
震動哀哭
泣哭
歌哭
音哭
飲啄笑哭
鬼哭啾啾
...