なげ)” の例文
一首の意は、若しもこの日本の国にあなたのような方がお二人おいでになると思うことが出来ますならば、どうしてこんなになげきましょう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
千登世は思ひ餘つて度々おさへきれないなげきをらした。と忽ち、幾年の後に成人した子供が訪ねて來る日のことが思はれた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
其為「長物語」以前と以後のあまたの要素を顧みず、一向、野人の信仰の淫雑なことをなげいたが、寒川氏の想像したよりも、かなり古く、而も若い物語なのだ。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かれは世間一般の混雑した事実の上に一歩高く身を置いて、或はなげき、或は悲しみ、或は笑つた。
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
いま崖州に到る 事なげく可し、夢中むちゅう常に京華けいくわに在るが如し。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
敷島しきしま日本やまとくにひと二人ふたりありとしはばなになげかむ 〔巻十三・三二四九〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)