長押なげ)” の例文
所がその内にどう云ふ拍子ひやうしか、彼のついた金羽根きんばねが、長押なげしのみぞに落ちこんでしまつた。彼は早速さつそく勝手から、大きな踏み台を運んで来た。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さうしてその上へ乗りながら、長押なげしの金羽根を取り出さうとした。その時私はせいの低い彼が、踏み台の上に爪立つまだつたのを見ると、いきなり彼の足の下から、踏み台をわきはづしてしまつた。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)