なげ)” の例文
孝陵の山川さんせんは、其のふるきに因りて改むるなかれ、天下の臣民は、哭臨こくりんする三日にして、皆服をき、嫁娶かしゅを妨ぐるなかれ。諸王は国中になげきて、京師に至るなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸王は国中になげきて、京に至るを得る無かれ、と云えるは、けだその諸王其の封を去りて京に至らば、前代の遺孽いげつ、辺土の黠豪かつごう等、あるいは虚に乗じて事を挙ぐるあらば、星火も延焼して
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諸王は国中になげきてけいに至るを得る無かれ、と云えるは、何ぞや。諸王のその封国ほうこくむなしゅうして奸驁かんごうの乗ずるところとならんことをおそるというも、諸王の臣、あに一時をたくするに足る者無からんや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)