長生ながら)” の例文
汝深く我を愛しき、是またうべなり、我もし下界に長生ながらへたりせば、わが汝にあらはす愛は葉のみにとゞまらざりしなるべし 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
つれなしと見つる浮世に長生ながらへて、朝顏のゆふべを竣たぬ身に百年もゝとせ末懸すゑかけて、覺束おぼつかなき朝夕あさゆふを過すも胸に包める情の露のあればなり。戀かあらぬか、女子のいのちはそも何に喩ふべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
直ちに後世ごせ御供おんともつかまつるべう候ひしに、性頑冥にして悟り得ず、望みなき世に長生ながらへて斯かる無念をまのあたり見る事のかへすがへすも口惜しう候ふぞや、時頼進んでは君が鴻恩の萬一に答ふる能はず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)