-
トップ
>
-
縁臺
婦たちは
怨んだ。が、
結句此がために
勢づいて、
茣蓙縁臺を
引摺り/\、とにかく
黒塀について、
折曲つて、
我家々々の
向うまで
取つて
返す
事が
出來た。
る
夫惣蒐りにて叩き倒せと手に/\
息杖を振り上打て
蒐るに半四郎も酒屋の
軒下にありし
縁臺を
地震が
搖つて
地が
動き、
町が
此方へ
傾いたやうに、わツと
起る
聲と
齊しく、
御神輿は
大波を
打つて、どどどと
打つて
返して、づしんと
其處の
縁臺に
据つた。