“おしまひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御仕舞22.2%
最後11.1%
永訣11.1%
11.1%
結局11.1%
結末11.1%
臨終11.1%
萬事休矣11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗助そうすけおほ方角はうがくいて早足はやあしうつした。今日けふ日曜にちえうも、のんびりした御天氣おてんきも、もうすで御仕舞おしまひだとおもふと、すこ果敢はかないやうまたさみしいやう一種いつしゆ氣分きぶんおこつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「お孃さん間違つちやいけません。喜三郎は、二千兩の金に眼がくらんで、裏切をしましたが、半次兄哥は、最初から最後おしまひまで、お孃さんのことばかり考へて居ました」
きツと老女さんのこと申すのですよ、わたし、老女さんに抱いて戴いて、亡母はゝ永訣おしまひ挨拶あいさつをしたのですとネ、——私、老女さん、此の洋琴に向ひますとネ、うやら亡母が背後うしろから手を取つて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
今の家内が三番目の女の児を産んだ時、えゝお末とけてやれ、お末とでも命けたらおしまひに成るか、斯う思つたら——どうでせう、君、直にまた四番目サ。仕方が無いから、今度は留吉とした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
乳母 あゝ、もし! これさ、もし! はて、ぬればなにもかも結局おしまひぢゃがな。
こんな事を言つて、後頭うしろにだけ少しの残つてゐる滑かな頭をつるりと撫でて見せた。みんなは笑つた。笑ひながら多吉は、此の老人にもう其の話を結末おしまひにせねばならぬ暗示を与へる事を気の毒に思つた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何と御覽じたか田中屋の後家さまがいやらしさを、あれで年は六十四、白粉をつけぬがめつけ物なれど丸髷の大きさ、猫なで聲して人の死ぬをも構はず、大方臨終おしまひは金と情死しんぢうなさるやら
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よろしい、わたしいまじつもつにつちもさつちもかん輪索わな陷沒はまつてしまつたのです。もう萬事休矣おしまひです覺悟かくごはしてゐます。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)