究竟くきょう)” の例文
究竟の涅槃 次に「究竟涅槃くきょうねはんす」ということですが、これを昔から、一般に「涅槃ねはん究竟くきょうす」とよませています。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
求道の手法としては吠陀ヴェーダ婆羅門バラモン神学にるところが多いが、最後の到着は究竟くきょうの一味を持っている。
褐色の求道 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
こゝにこの因果を観じて如是にょぜ本末の理趣ことわり究竟くきょうし、根元こんげんを断証して菩提心に転じ、一宇の伽藍がらんを起して仏智慧ぶつちえ荘儼しょうごんたてまつり、一念称名しょうみょう人天咸供敬にんてんげんくぎょうの浄道場となせる事あり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
和合究竟くきょうに達してはいかに猛勢の対手あいてもたちまち萎縮するより女根に大破殺力ありとしたので、おもうに琉球の墓も本に還るてふ意味と兼ねて死を標すために女根に象ったであろう。
しかし梵語の原典から見ましても、「顛倒てんどうを超越して究竟くきょう涅槃さとりに入る」という意味になっていますから、これはやっぱり「究竟涅槃す」とよんだ方がよいと思います。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)