“ましぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
驀地33.3%
真直22.2%
驀直11.1%
一直線11.1%
眞驀11.1%
驀然11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二百里の長き車は、牛を乗せようか、馬を乗せようか、いかなる人の運命をいかに東のかたはこび去ろうか、さらに無頓着むとんじゃくである。世をおそれぬ鉄輪てつわをごとりとまわす。あとは驀地ましぐらやみく。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其青田を貫いて、このの横から入つた寺道が、二町許りを真直ましぐらに、宝徳寺の門に隠れる。寺を囲んで蓊欝こんもりとした杉の木立の上には、姫神山が金字塔ピラミツトの様に見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
車夫のかく答へし後はことば絶えて、車は驀直ましぐらに走れり、紳士は二重外套にじゆうがいとうそでひし掻合かきあはせて、かはうそ衿皮えりかはの内に耳より深くおもてうづめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あららかに引払ひつぱらひて、寄らんとするひまもあらせず摩脱すりぬくるより足をはやめて津守坂つのかみざか驀直ましぐらに下りたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
間が浅い凹地くぼちになつて、浮世の廃道と謂つた様な、塵白く、石多い、通行とほり少い往還が、其底を一直線ましぐらに貫いてゐる。ふたつ丘陵おかは中腹から耕されて、なだらかな勾配を作つた畑が家々の裏口まで迫つた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
みのるは唯眞驀ましぐらに物を書いて行つた。自分を鞭打つやうな男の眼が多くの時間みのるの机の前に光つてゐた。みのるはそれを恐れながら無暗むやみと書いて行つた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
驀然ましぐらに急ぎくる一列ひとつら郵便馬車いうびんばしや
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)