驀地ましぐら)” の例文
燃ゆる様な好摩かうまが原の夏草の中を、驀地ましぐらに走つた二条の鉄軌レールは、車の軋つた痕に烈しく日光を反射して、それに疲れた眼が、はる彼方むかうに快い蔭をつくつた、白樺の木立の中に
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
二百里の長き車は、牛を乗せようか、馬を乗せようか、いかなる人の運命をいかに東のかたはこび去ろうか、さらに無頓着むとんじゃくである。世をおそれぬ鉄輪てつわをごとりとまわす。あとは驀地ましぐらやみく。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
静緒は驀地ましぐらに行かんとす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)