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いつちよくせん
それから
一直線に
降りて、
丁度自分の
立つてゐる
縁鼻の
土が、
霜柱を
摧いた
樣に
荒れてゐた。
宗助は
大きな
犬でも
上から
轉がり
落ちたのぢやなからうかと
思つた。
今は
最う、さつきから
荷車が
唯辷つてあるいて、
少しも
轣轆の
音の
聞えなかつたことも
念頭に
置かないで、
早く
此の
懊惱を
洗ひ
流さうと、
一直線に、
夜明に
間もないと
考へたから
一直線に
飛下りた
如く
思はれます。