“室中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へやじゅう47.4%
しつちゅう10.5%
しつちゆう5.3%
へやぢゆう5.3%
しつじゅう5.3%
なか5.3%
へや5.3%
へやじゆう5.3%
へやぢう5.3%
むろじゅう5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室中へやじゅうのひとたちは半分うしろの方へ倒れるようになりながら腰掛こしかけにしっかりしがみついていました。ジョバンニは思わずカムパネルラとわらいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
室中しつちゅうに入る以上は、何か見解けんげを呈しない訳に行かないので、やむを得ず納まらないところを、わざと納まったように取繕とりつくろった、その場限りの挨拶あいさつであった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たんあたまからした、あたかにかいたもちやう代物しろものつて、義理ぎりにも室中しつちゆうらなければならない自分じぶん空虚くうきよことぢたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なんまんだぶつと呟くやうに称名する大勢のものの声は、心の底から自らとろけでるやうに室中へやぢゆうに満ちた。かすかに鼻をすゝるものさへあつた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
身は戸の口にたちまゝなるもまなこ室中しつじゅう馳廻はせまわれり、今まで絵入の雑誌などにて人殺ひとごろしの場所を写したる図などは見し事ありいずれにも其辺そのあたり取散とりちらしたる景色見えしに
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
室中なかで議論をしていましたか?」
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
深緑のカアテンをかけた窓のほかは白い壁にもドアの内側にも一面に鏡が仕掛けてあって、室中へやのものがてしもなく向うまで並び続いているように見える——西洋式の白い浴槽ゆぶね
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
事務所に着いて見ると、藤枝は室中へやじゆうを煙にしてじつと椅子に腰かけて待つていた。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
只粉つぽい薄暗が一体に室中へやぢうめて、兄の顔が白くぼんやり見えた。兄は此弟とは異つた遊び場所の異つた遊び友達から、遊び疲れて帰つたのである。二人は不思議に一緒には遊ばなかつた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
そのころの湯殿というのは、みなむろになっている蒸風呂むしぶろであった。外のたき口で、火がハゼると、たちまち室中むろじゅうが白い湯気に満ち、中の温度は上昇してくる。