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用
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もち
ふりがな文庫
“
用
(
もち
)” の例文
土地
(
とち
)
にて、いなだは
生魚
(
なまうを
)
にあらず、
鰤
(
ぶり
)
を
開
(
ひら
)
きたる
乾
(
ひ
)
ものなり。
夏中
(
なつぢう
)
の
好
(
いゝ
)
下物
(
さかな
)
、
盆
(
ぼん
)
の
贈答
(
ぞうたふ
)
に
用
(
もち
)
ふる
事
(
こと
)
、
東京
(
とうきやう
)
に
於
(
お
)
けるお
歳暮
(
せいぼ
)
の
鮭
(
さけ
)
の
如
(
ごと
)
し。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いまでは、いい
薬
(
くすり
)
がたくさんにありますけれど、まだ
世間
(
せけん
)
が
開
(
ひら
)
けなかった、
昔
(
むかし
)
は、
家伝薬
(
かでんぐすり
)
などを
用
(
もち
)
いて
病気
(
びょうき
)
をなおしたものであります。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
るに
今日
(
こんにち
)
一
般
(
ぱん
)
にこの
轉倒
(
てんたふ
)
逆列
(
ぎやくれつ
)
を
用
(
もち
)
ゐて
怪
(
あや
)
しまぬのは、
畢竟
(
ひつきやう
)
歐米文明
(
おうべいぶんめい
)
渡來
(
とらい
)
の
際
(
さい
)
、
何事
(
なにごと
)
も
歐米
(
おうべい
)
の
風習
(
ふうしう
)
に
模倣
(
もほう
)
することを
理想
(
りさう
)
とした
時代
(
じだい
)
に
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
(五二)
寛
(
くわん
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
名譽
(
めいよ
)
の
人
(
ひと
)
を
寵
(
ちよう
)
し、
急
(
きふ
)
なれば
則
(
すなは
)
ち
介冑
(
かいちう
)
の
士
(
し
)
を
用
(
もち
)
ふ。
今
(
いま
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
は
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ず、
用
(
もち
)
ふる
所
(
ところ
)
は
養
(
やしな
)
ふ
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ずと。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
左吉松ほどの
強
(
したゝ
)
かな惡黨が、確かな相棒を一人持つて居るなら、何を苦しんで露見の
惧
(
おそ
)
れのあるやうな馬鹿な奇計を
用
(
もち
)
ひるでせう。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
九、
大地震
(
だいぢしん
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
水道
(
すいどう
)
は
斷水
(
だんすい
)
するものと
覺悟
(
かくご
)
し、
機敏
(
きびん
)
に
貯水
(
ちよすい
)
の
用意
(
ようい
)
をなすこと。
又
(
また
)
水
(
みづ
)
を
用
(
もち
)
ひざる
消防法
(
しようぼうほう
)
をも
應用
(
おうよう
)
すべきこと。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
此冬
(
このふゆ
)
になつて、
晝
(
ひる
)
のうち
炬燵
(
こたつ
)
を
拵
(
こし
)
らえたのは、
其日
(
そのひ
)
が
始
(
はじ
)
めてゞあつた。
夜
(
よる
)
は
疾
(
と
)
うから
用
(
もち
)
ひてゐたが、
何時
(
いつ
)
も六
疊
(
でふ
)
に
置
(
お
)
く
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
行火
(
あんか
)
の
代
(
かは
)
りにまでも
用
(
もち
)
ひられるようになり、
今日
(
こんにち
)
では
人間
(
にんげん
)
の
生活上
(
せいかつじよう
)
電氣
(
でんき
)
は
寸時
(
すんじ
)
も
缺
(
か
)
くことの
出來
(
でき
)
ない
必要
(
ひつよう
)
なものとなりました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
へい……
能
(
よ
)
う
御存
(
ごぞん
)
じさまでございます、これは
貴方
(
あなた
)
、
遠州所持
(
ゑんしうしよぢ
)
でございまして、
其後
(
そののち
)
大
(
たい
)
した
偉
(
えら
)
い
宗匠
(
そうしやう
)
さんが
用
(
もち
)
ひたといふ
品
(
しな
)
でございます。主
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また
石器時代
(
せつきじだい
)
といひましても、
當時
(
とうじ
)
の
人間
(
にんげん
)
が
用
(
もち
)
ひてゐたものは、
石器
(
せつき
)
ばかりではなく、
他
(
た
)
の
材料
(
ざいりよう
)
をもつて
作
(
つく
)
つたものもないではありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
譬
(
たと
)
へば、
吝嗇者
(
りんしょくもの
)
のやうに
貨
(
たから
)
は
夥
(
おびたゞ
)
しう
有
(
も
)
ってをっても、
正
(
たゞ
)
しう
用
(
もち
)
ふることを
知
(
し
)
らぬ、
姿
(
すがた
)
をも、
戀
(
こひ
)
をも、
分別
(
ふんべつ
)
をも、
其身
(
そのみ
)
の
盛飾
(
かざり
)
となるやうには。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
己
(
おの
)
れを
捨
(
す
)
つるには、その
疑
(
うたが
)
いを処するなかれ。その疑いを処すればすなわち
捨
(
しゃ
)
を
用
(
もち
)
うるの
志
(
こころざし
)
多く
愧
(
は
)
ず。人に
施
(
ほどこ
)
すにはその
報
(
ほう
)
を
責
(
せ
)
むるなかれ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
第三
酒
(
さけ
)
茶
(
ちや
)
菓子
(
かし
)
の
類
(
るゐ
)
は
食時
(
しよくじ
)
の
節
(
せつ
)
少々
(
せう/\
)
用
(
もち
)
ゐて
飮食
(
いんしよく
)
の
消化
(
せうくわ
)
を
扶
(
たす
)
くるは
害
(
がい
)
なしと
雖
(
いへど
)
も、その
時限
(
じげん
)
の
外
(
ほか
)
退屈
(
たいくつ
)
の
時
(
とき
)
用
(
もちゆ
)
る
等
(
とう
)
は
害
(
がい
)
ある
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
シベリヤ東北の
住民
(
ぢうみん
)
、アメリカ極北の住民及びグリーンランドのエスキモは眼の
部分
(
ぶぶん
)
に細き横線を截り透かしたる眼蔓樣のものを
用
(
もち
)
ゐる事有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
浮世の風を
滲
(
し
)
み込ませようとする時に、最も陥り易い短所であるが、しかし之も見様に由れば、技術の洗煉されないせいで、
用
(
もち
)
い
様
(
よう
)
に由っては
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
そればかりでも
身躰
(
からだ
)
の
疲勞
(
ひらう
)
が
甚
(
はなはだ
)
しからうと
思
(
おも
)
はれるので
種々
(
いろ/\
)
に
異見
(
いけん
)
も
言
(
い
)
ふが、
何
(
ど
)
うも
病
(
やまひ
)
の
故
(
せゐ
)
であらうか
兎角
(
とかく
)
に
誰
(
た
)
れの
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
用
(
もち
)
ひぬに
困
(
こま
)
りはてる
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
第七十六条 法律規則命令又ハ
何等
(
なんら
)
ノ名称ヲ
用
(
もち
)
ヰタルニ
拘
(
かかわ
)
ラス
此
(
こ
)
ノ憲法ニ
矛盾
(
むじゅん
)
セサル現行ノ法令ハ
総
(
すべ
)
テ
遵由
(
じゅんゆう
)
ノ効力ヲ
有
(
ゆう
)
ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
クリスマスの
裝飾
(
さうしよく
)
に
用
(
もち
)
ゐた
寄生木
(
やどりぎ
)
の
大
(
おほ
)
きなくす
玉
(
だま
)
のやうな
枝
(
えだ
)
が、ランプの
光
(
ひかり
)
に
枝葉
(
えだは
)
の
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
せて
天井
(
てんじやう
)
に
吊
(
つる
)
されてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
縮に
用
(
もち
)
ふる
紵
(
を
)
は、
奥刕
(
あうしう
)
会津
(
あひづ
)
出羽最上
(
ではもがみ
)
の
産
(
さん
)
を用ふ。白縮はもつはら会津を用ふ。なかんづく
影紵
(
かげそ
)
といふもの
極品
(
ごくひん
)
也、また米沢の
撰紵
(
えりそ
)
と
称
(
しよう
)
するも上品也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
先づ饅頭笠にて汚水を
酌
(
く
)
み
出
(
いだ
)
し、
更
(
さら
)
に
新鮮
(
しんせん
)
なる温泉を
湛
(
たた
)
ゆ、温
高
(
たか
)
き為め冷水を
調合
(
てうごう
)
するに又
笠
(
かさ
)
を
用
(
もち
)
ゆ、笠為に
傷
(
いた
)
むもの
多
(
おほ
)
し、抑此日や
探検
(
たんけん
)
の初日にして
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
帶
(
おび
)
は
一重
(
ひとへ
)
で
左
(
ひだり
)
の
腰骨
(
こしぼね
)
の
處
(
ところ
)
でだらりと
結
(
むす
)
んであつた。
兩方
(
りやうはう
)
の
端
(
はし
)
が
赤
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
で
縁
(
ふち
)
をとつてある。
粗
(
あら
)
い
棒縞
(
ぼうじま
)
の
染拔
(
そめぬき
)
でそれは
馬
(
うま
)
の
飾
(
かざ
)
りの
鉢卷
(
はちまき
)
に
用
(
もち
)
ひる
布片
(
きれ
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
次の
小
(
ちひ
)
さき光の
中
(
なか
)
には、己が
書
(
ふみ
)
をアウグスティーンの
用
(
もち
)
ゐに
供
(
そな
)
へしかの信仰の保護者ほゝゑむ 一一八—一二〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
私
(
わたし
)
の
狹
(
せま
)
い
知識
(
ちしき
)
の
範圍
(
はんい
)
では、
戯曲
(
ぎきよく
)
に
球突
(
たまつき
)
の
球
(
たま
)
の
響
(
ひゞ
)
きなどを
用
(
もち
)
ゐたのはひとりチエエホフあるのみのやうである。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そして、私はそれを到る所で
用
(
もち
)
いました。口実を設けて、友人の家へ泊り込み、主人公の居間へこの装置を施して、激情的な光景を隙見したこともあります。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
けれども
先生
(
せんせい
)
は
其家
(
そのいへ
)
を
圍
(
かこ
)
む
幾畝
(
いくせ
)
かの
空地
(
くうち
)
を
自
(
みづ
)
から
耕
(
たがや
)
して
菜園
(
さいゑん
)
とし
種々
(
しゆ/″\
)
の
野菜
(
やさい
)
を
植
(
う
)
ゑて
居
(
ゐ
)
ます。
又
(
また
)
五六羽
(
ごろつぱ
)
の
鷄
(
にはとり
)
を
飼
(
か
)
ふて、一
家
(
か
)
で
用
(
もち
)
ゆるだけの
卵
(
たまご
)
を
採
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ほがら/\といふと、
夜明
(
よあ
)
けの
空
(
そら
)
のあかるさを
示
(
しめ
)
す
言葉
(
ことば
)
です。それを、
月
(
つき
)
の
照
(
て
)
つてゐる
空
(
そら
)
の
形容
(
けいよう
)
に
用
(
もち
)
ひたので、いかにも
晝
(
ひる
)
のような
明
(
あか
)
るい
天
(
てん
)
が
感
(
かん
)
じられます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
二人のおどろき、よろこび、その後の物語、昔の作者なら、ここんところは、読む者よろしく推量あるべし……とやるところだが僕も一つ、この手を
用
(
もち
)
いよう。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
本殿はみだりに
平常
(
ふだん
)
用
(
もち
)
いないが、数寄屋は吉保の安息所として、夜は
燈
(
とも
)
り、昼もよくここに
寛
(
くつろ
)
ぐ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二
回目
(
くわいめ
)
には
矢張
(
やはり
)
其人數
(
そのにんず
)
で、
此方
(
こちら
)
は
鏟
(
シヨブル
)
や、
鍬
(
くわ
)
で
遣
(
や
)
つて
見
(
み
)
たが、
如何
(
どう
)
も
巧
(
うま
)
く
行
(
ゆ
)
かぬものだから、三
回目
(
くわいめ
)
には
汐干
(
しほひ
)
の
時
(
とき
)
に
用
(
もち
)
ゐた
熊手
(
くまで
)
(
小萬鍬
(
せうまんくわ
)
)が四五
本
(
ほん
)
有
(
あ
)
つたのを
持出
(
もちだ
)
した
處
(
ところ
)
が
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「おそれながら
陛下
(
へいか
)
、すべて
書物
(
しょもつ
)
にかいてありますことを、そのままお
用
(
もち
)
いになってはなりません。あれはこしらえごとでございます。いわば、
妖術
(
ようじゅつ
)
魔法
(
まほう
)
のるいでございます。」
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
折角単純な公私両
用
(
もち
)
いの服装を考え出したところで、はき物・被り物を自然の変化に放任しておいたら、頭は
埃
(
ほこり
)
を怖れ足は泥を怖れて、働こうという男女の職業は茶屋か
店屋
(
みせや
)
か
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
即
(
すなは
)
ち
現今
(
げんこん
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
精巧
(
せいこう
)
なる
潜水器
(
せんすいき
)
でも、
海底
(
かいてい
)
五十
米突
(
メートル
)
以下
(
いか
)
に
沈
(
しづ
)
んでは
水
(
みづ
)
の
壓力
(
あつりよく
)
の
爲
(
た
)
めと
空氣喞筒
(
くうきポンプ
)
の
不完全
(
ふくわんぜん
)
なる
爲
(
ため
)
に、
到底
(
たうてい
)
其
(
その
)
用
(
よう
)
を
爲
(
な
)
さぬのであるから、
潜水器
(
せんすいき
)
を
用
(
もち
)
ゆる
海賊船
(
かいぞくせん
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
明
(
あか
)
すに打聞
息子
(
むすこ
)
腕
(
うで
)
叉
(
こまね
)
いて默然たりしが
漸々
(
やう/\
)
にして首を
上
(
あげ
)
世に有難き御
慈愛
(
いつくしみ
)
を傳承りて勸たる和郎が言葉を
用
(
もち
)
ひずして
博識
(
はくしき
)
振
(
ぶり
)
たる我答へ
今更
(
いまさら
)
思へば
面目
(
めんぼく
)
なし花はともあれ父母の
意
(
こゝろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
而
(
しか
)
して
自
(
みづか
)
ら
辨
(
べん
)
じて
言
(
い
)
はるゝは、
作者
(
さくしや
)
の
趣意
(
しゆい
)
は、
殺人犯
(
さつじんはん
)
を
犯
(
おかし
)
たる
人物
(
じんぶつ
)
は、その
犯後
(
はんご
)
いかなる
思想
(
しそう
)
を
抱
(
いだ
)
くやらんと
心
(
こゝろ
)
を
用
(
もち
)
ひて
推測
(
おしはか
)
り
精微
(
せいび
)
の
情
(
じよう
)
を
寫
(
うつ
)
して己が才力を著はさんとするのみと。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
老人
(
ろうじん
)
の
毒殺
(
どくさつ
)
に
用
(
もち
)
いられた
青酸加里
(
せいさんかり
)
が、うちの
工場
(
こうじょう
)
にもあるつてことを、
私
(
わたし
)
の
口
(
くち
)
から
言
(
い
)
わせようとしているんでしよう。ハッハッハ、たしかにあります。しよつちゆう
使
(
つか
)
つていますよ。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
親方があまりはげしくおこらないとき、または他人をすこし
愚弄
(
ぐろう
)
(ばかにする)しかけるときするくせで、まったくかれはそのイタリア風の
慇懃
(
いんぎん
)
(ばかていねい)を
極端
(
きょくたん
)
に
用
(
もち
)
いていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
因
(
そこ
)
で、
金港堂
(
きんこうどう
)
が
始
(
はじめ
)
て
此
(
こ
)
の
年少詩人
(
ねんせうしじん
)
の
俊才
(
しゆんさい
)
を
識
(
し
)
つて、
重
(
おも
)
く
用
(
もち
)
ゐやうと
云
(
い
)
ふ
志
(
こゝろざし
)
を
起
(
おこ
)
したものと考へられる、
此
(
この
)
時
金港堂
(
きんこうどう
)
の
編輯
(
へんしう
)
には
中根淑氏
(
なかねしゆくし
)
が
居
(
ゐ
)
たので、
則
(
すなは
)
ち
此
(
この
)
人が
山田
(
やまだ
)
の
詞才
(
しさい
)
を
識
(
し
)
つたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其時
(
そのとき
)
集
(
あつま
)
ツて
居
(
お
)
ツた、一
同
(
どう
)
の
者
(
もの
)
の
喜
(
よろこ
)
びは
何
(
ど
)
の
位
(
くらい
)
で
有
(
あ
)
りましたか、
商家抔
(
せうかなど
)
では
多
(
おう
)
く
錢
(
おわし
)
を
取扱
(
とりあつ
)
かつて
居
(
お
)
るから、
醫者
(
いしや
)
を
呼
(
よ
)
ぶも
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はぬと
云
(
い
)
ふ
樣
(
よう
)
な
時
(
とき
)
は、
實驗上
(
じつけんぜう
)
隨分
(
ずいぶん
)
用
(
もち
)
ひて
宜敷
(
よろし
)
き
法
(
ほう
)
の
樣
(
よう
)
に
存
(
ぞん
)
じます。
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
下町
(
したまち
)
は知らず、われわれの住む山の手では、商家でも店でこそランプを
用
(
もち
)
いたれ、奥の
住居
(
すまい
)
ではたいてい
行燈
(
あんどう
)
をとぼしていた。家によっては、店先にも旧式のカンテラを用いていたのもある。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
も
流石
(
さすが
)
に、そんな
些事
(
さじ
)
に
對
(
たい
)
して、一々
死刑
(
しけい
)
を
用
(
もち
)
ゐることは
出來
(
でき
)
なかつたが、
掏摸
(
すり
)
なぞは
從來
(
じうらい
)
三
犯以上
(
ぱんいじやう
)
でなければ
死刑
(
しけい
)
にしなかつたのを、
彼
(
か
)
れは二
犯
(
はん
)
或
(
あるひ
)
は
事
(
こと
)
によると
初犯
(
しよはん
)
から
斬
(
き
)
り
棄
(
す
)
てて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今度
(
こんど
)
は一
生懸命
(
しやうけんめい
)
にインキを
用
(
もち
)
ゐて
再
(
ふたゝ
)
び
書
(
か
)
き
初
(
はじ
)
めました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
毎食後
(
まいしよくご
)
三十
分
(
ぷん
)
を
經
(
へ
)
て
白湯
(
さゆ
)
にて
用
(
もち
)
ゆかね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
李克
(
りこく
)
曰
(
いは
)
く、『
起
(
き
)
は
貪
(
たん
)
にして
色
(
いろ
)
を
好
(
この
)
む。
然
(
しか
)
れども
兵
(
へい
)
を
用
(
もち
)
ふるは、
司馬穰苴
(
しばじやうしよ
)
も
過
(
す
)
ぐる
能
(
あた
)
はざる
也
(
なり
)
』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
魏
(
ぎ
)
の
文矦
(
ぶんこう
)
以
(
もつ
)
て
將
(
しやう
)
と
爲
(
な
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
わが
國
(
くに
)
に
於
(
お
)
ける
三階建
(
さんがいだて
)
は
勿論
(
もちろん
)
、
二階建
(
にかいだて
)
も
大抵
(
たいてい
)
各階
(
かくかい
)
の
柱
(
はしら
)
が
床
(
とこ
)
の
部分
(
ぶぶん
)
に
於
(
おい
)
て
繼
(
つ
)
がれてある。
即
(
すなは
)
ち
通
(
とほ
)
し
柱
(
はしら
)
を
用
(
もち
)
ひないで
大神樂造
(
だいかぐらづく
)
りにしてある。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
これを
燒
(
や
)
いて二十
食
(
く
)
つた、
酢
(
す
)
にして
十
(
とを
)
食
(
く
)
つたと
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
だて
澤山
(
たくさん
)
なり。
次手
(
ついで
)
に、
目刺
(
めざし
)
なし。
大小
(
だいせう
)
いづれも
串
(
くし
)
を
用
(
もち
)
ゐず、
乾
(
ほ
)
したるは
干鰯
(
ひいわし
)
といふ。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ゆゑにその
屍
(
しかばね
)
をいるゝ
所
(
ところ
)
の
棺槨
(
くわんくわく
)
には
恒久的材料
(
こうきうてきざいれう
)
なる
石材
(
せきざい
)
を
用
(
もち
)
ひた。もつとも
棺槨
(
くわんくわく
)
も
最初
(
さいしよ
)
は
木材
(
もくざい
)
で
作
(
つく
)
つたが、
發達
(
はつたつ
)
して
石材
(
せきざい
)
となつたのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
まづ
石器
(
せつき
)
と
同
(
おな
)
じような
刃物
(
はもの
)
の
類
(
るい
)
をやはり
骨
(
ほね
)
や
角
(
つの
)
で
作
(
つく
)
るのでありますが、もっともこれを
作
(
つく
)
るには
石器
(
せつき
)
を
用
(
もち
)
ひたのでありませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
其時
(
そのとき
)
宗助
(
そうすけ
)
は
是
(
これ
)
はならんと
思
(
おも
)
つた。けれども
果
(
はた
)
して
刄物
(
はもの
)
を
用
(
もち
)
ひて、
肩
(
かた
)
の
肉
(
にく
)
を
突
(
つ
)
いて
可
(
い
)
いものやら、
惡
(
わる
)
いものやら、
決
(
けつ
)
しかねた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは、春徳寺で
用
(
もち
)
ひられた毒藥は、池の端の丸屋で盜まれたものに相違なく、その邊一帶は、錢形平次の繩張り内と言つてもよかつたのです。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
用
(
もち
)
ひて
浮々
(
うき/\
)
とせし
樣子
(
やうす
)
に
扨
(
さて
)
は
眞
(
まこと
)
に
悔悟
(
くわいご
)
して
其心
(
そのこゝろ
)
にもなりぬるかと
落附
(
おちつ
)
くは
運平
(
うんぺい
)
のみならず
内外
(
うちと
)
のものも
同
(
おな
)
じこと
少
(
すこ
)
し
枕
(
まくら
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“用”の意味
《名詞》
(ヨウ)用事、用件。
(ヨウ)有用であること、有用性。役に立つこと。
(出典:Wiktionary)
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“用”を含む語句
入用
費用
作用
不用
用達
用意
使用
用立
信用
雑用
要用
御入用
所用
用事
小用
御用
胸算用
御用達
御用聞
採用
...