“宜敷”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
よろしく53.8%
よろし34.6%
よろしい11.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『あゝ然ですか。何れ宜敷よろしく御盡力下さい。後藤君が此函館に來たについちや、何しろ僕等先住者が充分盡すべき義務があるんですからね。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「それぢや小常磐せうときはの方は宜敷よろしく頼んだよ。式が済んだら新夫婦に写真を撮らせて、たゞちに料理屋へ廻らせる。よし。」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
御尤ごもつともです——いや、それではいづれ後刻御目に懸つて、御礼を申上げるといふことにしませう。何卒どうか皆さんへも宜敷よろしく仰つて下さい。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「皆さんに宜敷よろしく——実にも御無沙汰ごぶさたするがッて、宜敷言っておくれや——お前さんもまあ折角せっかく御無事で——」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御帰宅あらば宜敷よろしく云置いいおき、たちまち影を見失いぬ、妻不思議に思いいるところへ、主人あるじ帰りきたりしかば、こうこうと物語りしに
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
ちょうどそのとき運悪く、峻も私のそばにいたのであったが、貞子は峻の前に手を突いて「どうぞ宜敷よろしくお願いいたします」と挨拶をした。
秋草の顆 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
それよりももつと突き詰めたことをいへば、大学が古書を高閣かうかくつかねるばかりで古書の覆刻ふくこくを盛んにしなかつたのも宜敷よろしくない。
其の時聴衆みな言ってえらく、ばかりの佳作を一節切のはなずてに為さんはおしむべき事ならずや、宜敷よろしく足らざるを補いなば
高次郎氏の所へ一年に一度年賀の挨拶に私の方から出かけて行くのも「今年もまた何をし出かすか分りませんから、どうぞ宜敷よろしく」と、こういう私の謝罪の意味も多分に含んでいた。
睡蓮 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「長くはいないだろう。フロウレンスへ行きたいんだそうだが、君に宜敷よろしくって終りに書いてあったよ。」
旅愁 (新字新仮名) / 横光利一(著)
私は実に此時まで、刀は抜かなかったのでござります。刀には刀の気息があって俗に刀気と申しますが、殺気と申しても宜敷よろしいでしょう。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
町会議員の中には、「怪しからん、直に追出して了へ」なんて、其様な暴論を吐くやうな手合も有るといふ場合ですから——何卒どうかまあ、何分宜敷よろしいやうに、御取計ひを。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
俳諧連歌の催しを仕て居る商人が、俳諧連歌の最中に商用の生じたのに會つた時、古の宗匠が、商賣の御用を濟ませられて後また連歌をさるゝが宜敷よろしい、と云つたのは實に面白い。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)