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宜敷
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ふりがな文庫
“
宜敷
(
よろしく
)” の例文
『
御尤
(
ごもつとも
)
です——いや、それではいづれ後刻御目に懸つて、御礼を申上げるといふことにしませう。
何卒
(
どうか
)
皆さんへも
宜敷
(
よろしく
)
仰つて下さい。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『あゝ然ですか。何れ
宜敷
(
よろしく
)
御盡力下さい。後藤君が此函館に來たについちや、何しろ僕等先住者が充分盡すべき義務があるんですからね。』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
長「何をいうのだ、それじゃア明日は屹度往きますから
宜敷
(
よろしく
)
、左様なら、姉さん、あの小僧さんを宜く知っておいでゞすね」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
菊池君が脚色してくれるのは結構だがしかしこれも
予
(
あらかじ
)
め会見して意志を疎通して置く必要がある、その辺のこと
宜敷
(
よろしく
)
頼むということを伝えた
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
致して居しが
先
(
まづ
)
は
重疊
(
ちようでふ
)
左樣
(
さやう
)
御座らば立歸り
喜
(
よろこ
)
ばせし上又
改
(
あらた
)
めて出まする事に仕つれば
何分
(
なにぶん
)
宜敷
(
よろしく
)
お頼申すと
喜
(
よろこ
)
びを
演
(
のべ
)
別
(
わか
)
れを告
取散
(
とりちらせ
)
し辨當など
始末
(
しまつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
右の御褒美の中に「平日の心掛
宜敷
(
よろしく
)
」「暮し向万事質素」「門弟引立方深切」云々という事実は筆者等が翁の晩年に於ても親しく実見したところで
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
父よりいずれ御礼の文奉り度
存居
(
ぞんじおり
)
候えども今日は町の
市日
(
いちび
)
にて手引き難く、
乍失礼
(
しつれいながら
)
私より
宜敷
(
よろしく
)
御礼申上候
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
御紹介する右は
小生
(
しょうせい
)
の同県人にて小生とは年来親しくしている人なり君の会社に勤めつつある某社員の身元に
就
(
つ
)
いて調べたい事項があるそうだから御面会の上
宜敷
(
よろしく
)
御取計いを
途上
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
此方
(
こつち
)
へと云ふ所に
台
(
だい
)
がある。四角な棒を四本立てて、其上を板で張つたものである。三四郎は台の上へ腰を掛けて初対面の挨拶をする。それから何分
宜敷
(
よろしく
)
願ひますと云つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
富子さんは「それなら
宜敷
(
よろしく
)
」とも言わないで友達の手を引張って帰って行ってしまった。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
例の通りこの刑を
行
(
おこな
)
いしが、その婦人の霊、護送者の家へ尋ね行き、
今日
(
こんにち
)
は御主人にお
手数
(
てかず
)
を
掛
(
かけ
)
たり、御帰宅あらば
宜敷
(
よろしく
)
と
云置
(
いいお
)
き、
忽
(
たちま
)
ち影を見失いぬ、妻不思議に思いいるところへ
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
宜敷
(
よろしく
)
南洋無国家島へでも渡り、自由自在に自己の主義を唱導すべき也。
警戒すべき日本
(新字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
尚々皆様へ
宜敷
(
よろしく
)
御願申候也。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
その手紙には、自分は今
旅舎
(
やどや
)
住居
(
ずまい
)
の境遇であるから、式に出ることだけは見合せる、万事兄上の方で
宜敷
(
よろしく
)
、三吉にも宜敷、としてあった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
聞如何我
胤
(
たね
)
なればとて然る
曲者
(
くせもの
)
を
採用
(
さいよう
)
し後に
害
(
がい
)
をば
殘
(
のこ
)
さんこと
武將
(
ぶしやう
)
の所爲に有ざれば天下の爲に彼をして
強
(
しひ
)
て
僞者
(
にせもの
)
と
言詰
(
いひつめ
)
て
宜敷
(
よろしく
)
刑
(
けい
)
に行ふ可し是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『休暇で歸るのに見送りなんか
爲
(
し
)
て貰はなくつても可いと言つたのに、態々俥でやつて來てね。
麥酒
(
ビール
)
や水菓子なんか
車窓
(
まど
)
ン中へ
抛
(
はふ
)
り込んでくれた。皆樣に
宜敷
(
よろしく
)
つて言つてたよ。』
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
斯の気丈夫な
内儀
(
かみ
)
さんは、自分が死んだ後の後妻のことまでも心配して、御隠居さん始め、裁縫師にも
宜敷
(
よろしく
)
頼むと言出した。
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
密
(
ひそか
)
に
招
(
まね
)
き吉之助は
古河
(
こが
)
一番の
大盡
(
だいじん
)
の
息子
(
むすこ
)
にて江戸の
店
(
みせ
)
へ
遊藝稽古
(
いうげいけいこ
)
の爲に參られ此處へは始めての事なれば
隨分
(
ずゐぶん
)
宜敷
(
よろしく
)
計
(
はか
)
らひ
呉
(
くれ
)
よ此後も度々
連參
(
つれまゐ
)
らんと内證を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「三吉さんの
許
(
ところ
)
へいらっしゃいましたら、俊や鶴のことを
宜敷
(
よろしく
)
御願い申しますッて、そう仰って下さい……
何卒
(
どうか
)
……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それぢや
小常磐
(
せうときは
)
の方は
宜敷
(
よろしく
)
頼んだよ。式が済んだら新夫婦に写真を撮らせて、
直
(
たゞち
)
に料理屋へ廻らせる。よし。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「皆さんに
宜敷
(
よろしく
)
——実にも
御無沙汰
(
ごぶさた
)
するがッて、宜敷言っておくれや——お前さんもまあ
折角
(
せっかく
)
御無事で——」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今朝
斯
(
こ
)
の客が尋ねて来たこと、宿は上町の扇屋にとつたとのこと、
宜敷
(
よろしく
)
と言置いて出て行つたことなぞを話して、まだ外にでつぷり肥つた洋服姿の人も表に立つて居たと話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
校長は時刻を
違
(
たが
)
へず出勤したので、早速この
報知
(
しらせ
)
を話した。丑松は直にこれから出掛けて行きたいと話した。留守中何分
宜敷
(
よろしく
)
、受持の授業のことは万事銀之助に頼んで置いたと話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
宜
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“宜敷”で始まる語句
宜敷事
宜敷折