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持
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もち
ふりがな文庫
“
持
(
もち
)” の例文
ばあさんが
古手桶
(
ふるておけ
)
を下げて出て参り升て、私どもの腰かけてる
側
(
かたはら
)
の小川の中へ
手桶
(
ておけ
)
を浸し、半分ほどはいつた水を重気に
持
(
もち
)
あげ升た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
如何にも研究熱の旺盛な余りに出たらしい
脂切
(
あぶらぎ
)
った口調で、柔らかく、固く
持
(
もち
)
かけて来たもんだから吾輩ウッカリ乗せられてしまった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
眞實
(
まこと
)
と思ひ終に吾助の言葉の如く二兩の金を
持
(
もち
)
宿
(
やど
)
へ下りたり然るに惡事千里の
諺
(
ことわざ
)
の如く
早晩
(
いつしか
)
吾助がお兼と言合せ
飯炊
(
めしたき
)
の宅兵衞より金五兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
持
(
もち
)
おもりのする
番傘
(
ばんがさ
)
に、
片手腕
(
かたてうで
)
まくりがしたいほど、
身
(
み
)
のほてりに
夜風
(
よかぜ
)
の
冷
(
つめた
)
い
快
(
こゝろよ
)
さは、
横町
(
よこちやう
)
の
錢湯
(
せんたう
)
から
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
る
趣
(
おもむき
)
がある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
道々の在々所々の庄屋、大百姓ども召寄せられ、馬の
食
(
はみ
)
をば合せ
糠
(
ぬか
)
にせよ。先手先手に、
持
(
もち
)
たるたしなみの米を出し
炊
(
たか
)
せよ。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
三百石の家にては侍二人、
具足持
(
ぐそくもち
)
一人、
鑓持
(
やりもち
)
一人、
挾箱
(
はさみばこ
)
持
(
もち
)
一人、馬取二人、
草履
(
ぞうり
)
取
(
とり
)
一人、
小荷駄
(
こにだ
)
二人の軍役を寛永十年二月十六日の御定めなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
どうかして僕が
他
(
よそ
)
から
工面
(
くめん
)
しなければならないのは
貴女
(
あなた
)
にも
解
(
わか
)
るでせう。だから今夜はこれだけお
持
(
もち
)
なさい。
余
(
あと
)
は二三日
中
(
うち
)
に
如何
(
どう
)
にか
為
(
し
)
ますから。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
持
(
もち
)
たる
木鋤
(
こすき
)
にて和尚を
掘
(
ほり
)
いだしければ、和尚大に
笑
(
わら
)
ひ
身
(
み
)
うちを見るに
聊
(
いさゝか
)
も
疵
(
きず
)
うけず、
耳
(
みゝ
)
に
掛
(
かけ
)
たる
眼鏡
(
めかね
)
さへつゝがなく
不思議
(
ふしぎ
)
の命をたすかり給ひぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もし、三千代に対する自分の態度が、最後の一歩前迄押し
詰
(
つ
)
められた様な気
持
(
もち
)
がなかつたなら、代助は
父
(
ちゝ
)
に対して無論さう云ふ所置を取つたらう。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
隠蓑
(
かくれみの
)
」なる言葉は『信綱記』にもいう如く、「鬼
之
(
の
)
持
(
もち
)
たる宝は、かくれ蓑、かくれ笠、
打出
(
うちで
)
の
小槌
(
こづち
)
、延命小袋」
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
少し眼のある者は元勲がどれくらい無能力かということ大臣は
廻
(
まわ
)
り
持
(
もち
)
にて新聞記者より大臣に上りし実例あることくらいは承知致し説き聞かせ候えども
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
スウィフトの諷刺せし如く、スウィフトの
嘲罵
(
てうば
)
したる如くに、沙翁も亦諷刺の舌を有し、嘲罵の喉を
持
(
もち
)
しなり。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
熊次郎
槍
(
やり
)
持
(
もち
)
て裏より行、などといふ事件の記事もある。これは、宝泉寺住職
㝫応
(
りゆうおう
)
和尚が上京して留守中、泥棒が入らうとして日本刀で戸をずたずたに切つた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
我ひそかに思へらく、この鳥恐らくはその習ひによりて餌をこゝにのみ求むるならむ、恐らくはこれを
他
(
ほか
)
の處に得て
持
(
もち
)
て
舞上
(
まひのぼ
)
るを卑しむならむと 二五—二七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
人事
(
ひとごと
)
我事
(
わがこと
)
分別
(
ふんべつ
)
をいふはまだ
早
(
はや
)
し、
幼
(
おさな
)
な
心
(
ごゝろ
)
に
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
花
(
はな
)
のみはしるく、
持
(
もち
)
まへの
負
(
ま
)
けじ
氣性
(
ぎせう
)
は
勝手
(
かつて
)
に
馳
(
は
)
せ
廻
(
まわ
)
りて
雲
(
くも
)
のやうな
形
(
かたち
)
をこしらへぬ、
氣違
(
きちが
)
ひ
街道
(
かいだう
)
、
寢
(
ね
)
ぼけ
道
(
みち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その頃下女の給金は
衣裳
(
いしょう
)
此方
(
こちら
)
持
(
もち
)
の年に十八円位が
頂上
(
とまり
)
です。然し、私は奥様のお古か何かで着せて頂いて、その外は相応な晴衣の御
宛行
(
あてがい
)
という
約束
(
きめ
)
に願って出ました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
なんぼ亭主
持
(
もち
)
だって、ちっとは俺の切ない
思
(
おもい
)
も酌んでくれそうなものだけれど、それがないとこを見ると、俺のお前を思うよりか、お前が源様を思う方が深いと見える。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
是は藤心村の観音寺という
真言寺
(
しんごんでら
)
持
(
もち
)
でございまして、一切の事は観音寺で引受けて致しまする。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
消えなんとしていまだ消えず、薄気味悪き青光をかすかに洩すのみ、時刻も分らず場所も分らず、時計を出して見るに、その針はすでに停まりいたり、余の時計は二日
持
(
もち
)
にて
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
否少くとも、閣下の肉親の方が他人に依って惨殺されたと云う御経験をお
持
(
もち
)
でしょうか。
ある抗議書
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
山葵の刺撃で
眼
(
め
)
が
潰
(
つぶ
)
れるというほどの力を
持
(
もち
)
ます。それですから西洋料理に唐辛のような物を使う時はその配合法が
定
(
さだま
)
っていてその力を胃の刺撃にのみ用ゆるような
工風
(
くふう
)
がしてあります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
出窓
(
でまど
)
の
縁
(
えん
)
へ
肘
(
ひじ
)
を
懸
(
か
)
けて、するりと
体
(
からだ
)
を
持
(
もち
)
ちあげると、
如何
(
いか
)
にも
器用
(
きよう
)
に
履
(
は
)
いた
草履
(
ぞうり
)
を
右手
(
みぎて
)
で
脱
(
ぬ
)
ぎながら、
腰
(
こし
)
の三
尺帯
(
じゃくおび
)
へはさんで、
猫
(
ねこ
)
のように
青畳
(
あおだたみ
)
の
上
(
うえ
)
へ
降
(
お
)
り
立
(
た
)
ったのは、三
年前
(
ねんまえ
)
に
家
(
いえ
)
を
出
(
で
)
たまま
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「我身も田園等を
持
(
もち
)
たる時もありき。
亦
(
また
)
財宝を領せし時もありき。
彼
(
か
)
の時の
身心
(
しんじん
)
とこのころ貧うして
衣盂
(
えう
)
にともしき時とを比するに、
当時
(
いま
)
の心すぐれたりと覚ゆる、これ
現証
(
げんしょう
)
なり」(同上第三)。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
どうぞお后様、お
持
(
もち
)
になっていらっしゃる
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「はあ、御主人
持
(
もち
)
ですか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
偖
(
さて
)
又
(
また
)
憑司は其夜昌次郎を立せやり
草履
(
ざうり
)
に血の付たるを
持
(
もち
)
て傳吉宅へ
忍
(
しの
)
び
込
(
こみ
)
庭
(
には
)
の
飛石
(
とびいし
)
へ血を付置き夫より高田の役所へ
夜通
(
よどほ
)
しに往て
訴
(
うつた
)
へ
捕方
(
とりかた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蔦屋も
蔦竜館
(
ちょうりゅうかん
)
となった発展で、
持
(
もち
)
のこの女中などは、京の津から来ているのだそうで、少しも恩人の事を知りません。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此打切は川口を一
番
(
ばん
)
として
水上
(
みなかみ
)
へ十五番まであり。こゝはいづくの
持
(
もち
)
とて川にその
境目
(
さかひめ
)
ありてはなはだ
厳重
(
げんぢゆう
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
つまり、この一軒家も、そこの旅籠屋の
持
(
もち
)
で、
朝夕
(
ちょうせき
)
の食事も、向うの台所から運んで来ることになっている。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
待
(
ま
)
つてゐらつしやれば
可
(
よ
)
かつたのに」と女らしく愛想をつけ加へた。けれども其調子は沈んでゐた。尤も
是
(
これ
)
は此女の
持
(
もち
)
調子で、代助は却つて其昔を
憶
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫
(
そ
)
れより
起
(
おこ
)
りし
生道心
(
なまだうしん
)
などならば、かへすがへす
淺
(
あさ
)
ましき
事
(
こと
)
なり、
第
(
だい
)
一は
不憫
(
ふびん
)
のことなり、
中々
(
なか/\
)
に
高尚
(
けだか
)
き
心
(
こヽろ
)
を
持
(
もち
)
そこねて、
魔道
(
まだう
)
に
落入
(
おちい
)
るは
我々
(
われ/\
)
書生
(
しよせい
)
の
上
(
うへ
)
にもあるを
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大臣は
廻
(
まわ
)
り
持
(
もち
)
にて、新聞記者より大臣に上りし実例ある事位は承知致し説き聞かせ候へども、田舎の先生は一向無頓著にて、あひかはらず元勲崇拝なるも腹立たしき訳に候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
宅
(
たく
)
の
物置
(
ものおき
)
に
曾
(
かつ
)
て
自分
(
じぶん
)
が
持
(
もち
)
あるいた
畫板
(
ゑばん
)
が
有
(
あ
)
つたの
見
(
み
)
つけ、
同時
(
どうじ
)
に
志村
(
しむら
)
のことを
思
(
おも
)
ひだしたので、
早速
(
さつそく
)
人
(
ひと
)
に
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると、
驚
(
おどろ
)
くまいことか、
彼
(
かれ
)
は十七の
歳
(
とし
)
病死
(
びやうし
)
したとのことである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其の
中
(
うち
)
に
土蔵
(
くら
)
の塗直しが始まり、質屋さんでは土蔵を大事にあそばすので、土蔵の塗直しには冬が一番
持
(
もち
)
がいゝと云うので、職人が這入ってどし/\日の暮れるまで仕事をして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
父の日記は、
大凡
(
おほよそ
)
農業日記であつて、そのなかに、ぽつりぽつり、僕に呉れた
小遣銭
(
こづかひせん
)
の記入などがあるのである。明治廿二年の
条
(
くだり
)
に、宝泉寺え泥ぼう
入
(
はひり
)
、伝右衛門
下男
(
げなん
)
刀
持
(
もち
)
て表より
行
(
ゆく
)
。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
お手にお
持
(
もち
)
なさった一と房の花の上へかかるのを、たしかに見た事があるんですが、これをおもえば、徳蔵おじの
実貞
(
じってい
)
な処を愛して、深い
思召
(
おぼしめし
)
のある事をおおせにでもなったものと見えます。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
そうしないと中の物が
膨
(
ふく
)
れ
出
(
だし
)
て蓋が
持
(
もち
)
ません。深い鍋へ酒に味淋に醤油に
煮汁
(
だし
)
で
美味
(
おいし
)
い汁を沢山
拵
(
こしら
)
えて今の南瓜を柔くなるまで煮て出します。こうしたのは双方の味がよく
浸
(
しみ
)
て大層美味くなります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
さあこの鍵をお
持
(
もち
)
なさい。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
相※に召捕べしと申渡し彼紀州より
持
(
もち
)
來りし
笈摺
(
おひずる
)
には紀州名草郡平野村
感應院
(
かんおうゐん
)
の弟子寶澤十四歳と記し所々
血汐
(
ちしほ
)
に
染
(
そめ
)
し品々を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから四張の三味線を座敷に運んで、調子を合せて、差置くや否や、取って返して、自分が
持
(
もち
)
の下方の
調
(
しらべ
)
の緒を
〆
(
し
)
める時分には、二人悠々と入って来る。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我が住む
塩沢
(
しほざは
)
の巽三里
余
(
よ
)
に清水村といふあり、此村
持
(
もち
)
の山に
笈掛岩
(
おひかけいは
)
といふ
在
(
あり
)
、高さ十丈あまり
横
(
よこ
)
二十五
間
(
けん
)
あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これは
私
(
わたし
)
が
惡
(
わる
)
う
御座
(
ござ
)
りました、ではお
乘
(
の
)
せ
申
(
まをし
)
ませう、お
供
(
とも
)
を
致
(
いた
)
しませう、
嘸
(
さぞ
)
お
驚
(
おどろ
)
きなさりましたろうとて
惡者
(
わる
)
らしくもなく
提燈
(
ちようちん
)
を
持
(
もち
)
かゆるに、お
關
(
せき
)
もはじめて
胸
(
むね
)
をなで
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宅の物置にかつて自分が
持
(
もち
)
あるいた画板があったのを見つけ、同時に志村のことを思いだしたので、早速人に聞いて見ると、驚くまいことか、彼は十七の
歳
(
とし
)
病死したとのことである。
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
老「いや此の辺はお代官
持
(
もち
)
で、
公方様
(
くぼうさま
)
から沙汰が
無
(
ね
)
えば手え入れられねえでがす」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
髭
(
ひげ
)
は
真白
(
まつしろ
)
と云はんよりは、寧ろ
黄色
(
きいろ
)
である。さうして、
話
(
はなし
)
をするときに
相手
(
あいて
)
の
膝頭
(
ひざがしら
)
と
顔
(
かほ
)
とを
半々
(
はん/\
)
に見較べる
癖
(
くせ
)
がある。其時の
眼
(
め
)
の
動
(
うご
)
かし
方
(
かた
)
で、
白眼
(
しろめ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
ちらついて、
相手
(
あいて
)
に妙な心
持
(
もち
)
をさせる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
の
持
(
もち
)
ふるした
鞄
(
かばん
)
を
見
(
み
)
よ。
手摺
(
てずれ
)
の
靄
(
もや
)
が一
面
(
めん
)
に、
浸
(
しみ
)
の
形
(
かた
)
が
樺太
(
からふと
)
の
図
(
づ
)
に
浮
(
うか
)
ぶ。
汽車
(
きしや
)
は
白河
(
しらかは
)
へ
着
(
つ
)
いたのであつた。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
双坡楼
(
そつはろう
)
扇
(
あふぎ
)
をいだして
余
(
よ
)
に
句
(
く
)
を
乞
(
こ
)
ふ、妓も
持
(
もち
)
たる扇を
出
(
いだ
)
す。京水画をなし、余
即興
(
そくきやう
)
を
書
(
しよ
)
す。これを見て
岩居
(
がんきよ
)
をはじめおの/\
壁
(
かべ
)
に
句
(
く
)
を
題
(
だい
)
し、
更
(
さら
)
に
風雅
(
ふうが
)
の
興
(
きやう
)
をもなしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
五十軒によき得意場は
持
(
もち
)
たりとも、内証の車は商買ものの外なれば
詮
(
せん
)
なく、十三になれば片腕と
一昨年
(
おととし
)
より並木の
活判処
(
かつばんじよ
)
へも通ひしが、
怠惰
(
なまけ
)
ものなれば十日の辛棒つづかず
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何うも
持
(
もち
)
ざっぺいが悪くて仕方がございません、お客様が折角のお志で下すった物を、粗末にしたり落しちゃア済まないよ、お志を無にするからと申しましても、あの通り
頑是
(
がんぜ
)
がございませんから
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五十
軒
(
けん
)
によき
得意塲
(
とくいば
)
は
持
(
もち
)
たりとも、
内證
(
ないしよう
)
の
車
(
くるま
)
は
商賣
(
しようばい
)
ものゝ
外
(
ほか
)
なれば
詮
(
せん
)
なく、十三になれば
片腕
(
かたうで
)
と
一昨年
(
おとゝし
)
より
並木
(
なみき
)
の
活版所
(
かつぱんじよ
)
へも
通
(
かよ
)
ひしが、
怠惰
(
なまけ
)
ものなれば
十日
(
とうか
)
の
辛棒
(
しんぼう
)
つゞかず
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“持”を含む語句
心持
持上
気持
住持
矜持
金持
扶持
持出
癇癪持
家持
兇状持
持合
持来
御扶持
受持
所持
面持
迫持
岡持
維持
...