“もて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
43.8%
好遇6.3%
6.3%
6.3%
6.3%
款待6.3%
被待6.3%
6.3%
6.3%
6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と詠じし心にかなひしは實に此半四郎のこと成べし茲に其素性そのすじやうを尋るにもと讃州丸龜在高野村の百姓半左衞門と云者二人のせがれもてり兄を半作とよび弟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さても、どれほどの好男いいおとこに生れかわって、どれほどの金子かねを使ったら、遊んでこれだけ好遇もてるだろう。——しかるにもかかわらず、迷いは、その叔母さんに俥賃を強請ゆすって北廓なかへ飛んだ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今まで後姿うしろすがたながめて物陰にいた時は、彼女を包む一色ひといろの目立たないコートと、その背の高さと、大きな廂髪ひさしがみとを材料に、想像の国でむしろ自由過ぎる結論をもてあそんだのだが
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
永く延す中には又致し方も有べしと内外ないぐわい承知しようちの體にもてなし先主人の氣にかなふ樣に致しおき其中にはすけ十郎郷右衞門の兩人と内談ないだんの上猶又主人をいさめ申さんと存じ種々いろ/\心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ソロモンの朝ヘブリウ人の持ち馬甚だ多くなりしは、列王紀略上にこの王戦車の馬の厩四千と騎兵一万二千をもてりとあるので分る、またいわく王千四百戦車一万二千騎卒ありと
家をたたんでからも清の所へは折々行った。清の甥というのは存外結構な人である。おれがくたびに、りさえすれば、何くれと款待もてなしてくれた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕は登楼とうろうない。為ないけれども、僕が一度ひとたび奮発して楼に登れば、君達の百倍被待もてて見せよう。君等のようなソンナ野暮な事をするならして仕舞しまえ。ドウセ登楼などの出来そうながらでない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
身姿みなりの立派だけ厚くもてなさるゝ訳なればさても賢き男なるかな
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
さじ一本で千代田の大奥に伺候したことさえあるので、いまだに相良玄鶯院と御典医名で呼ばれている名だたる蘭医らんい、野に下ってもその学識風格はこわもての浪士たちをあごの先でこき使って、さて
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
主人は茶事を好んで、あの金襴きんらんの袋から井戸いどの茶碗を取り出す。だが私をもてなす番茶器はあのコバルトの湯呑ゆのみである。そうしてあのヌーボー式の絵を染附けた色絵の菓子器である。私は洋館に通る。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)