“此席”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ50.0%
このせき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此席ここへ来る前に警視庁の保安課へ寄って、興行係の片山っていう心安い警部に会って、済まないがモウ一度あの上演本あげほんを見せてもらえまいかって頼むとドウダイ。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此間こないだ、有楽座に行った時には、此座ここへお宮を連れて来たら、さぞ見素みすぼらしいであろう、と思ったが、此席ここでは何うであろうか、と、思いながら、便所に行った時、向側の階下したの処から
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
兒玉こだま此席このせき同好倶樂部どうかうくらぶ一條いちでうはなした、二人ふたり微笑びせうしたばかり、べつなんともひやうしなかつた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
老職らうしよくやからふもさらなり、諸役人等しよやくにんらも、いよ/\でて、いよ/\不平ふへいなれども、聰明そうめいなる幼君えうくんをはじめ、御一門ごいちもん歴々方れき/\がたのこらず御同意ごどういひ、こと此席このせきおいなにといふべきことばでず、わたくしども
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)