“ぎょれん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御簾93.3%
御輦6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど奥まった行宮あんぐうの深くでは、かえって何かふしぎな活力のような精気が、そこの昼もうすぐらい御簾ぎょれん御灯みあかしにあかあかとかがやいていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また御簾ぎょれんをはさんで居ながれている公卿たちの目も、みな息をためて、正成の容子に、洞察をはたらかせているふうだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の献扇は、まったく第一のお車を御先乗おさきのりと心得たことであって、御輦ぎょれんに触れ奉ろうとは思いもかけなかったという。あとになってそれを知った時は実に彼も恐縮した。彼の述懐はそこから始まる。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの行幸の当日、彼のささげた扇子があやまって御輦ぎょれんに触れたとは、なんとしても恐縮するほかはない。慕い奉る帝の御道筋をさまたげたことに対しても、彼は甘んじてその罰を受けねばならない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)