“御先乗”の読み方と例文
読み方割合
おさきのり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は近づいて来る第一の御馬車を御先乗おさきのりと心得、前後を顧みるいとまもなく群集の中から進み出て、そのお馬車の中に扇子を投進した。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ちょうど所持の扇子に自作の和歌一首しるしつけてまかったから、御先乗おさきのりとのみ心得た第一のお車をめがけて直ちにその扇子をささげたなら、自然と帝のお目にもとまり
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼の献扇は、まったく第一のお車を御先乗おさきのりと心得たことであって、御輦ぎょれんに触れ奉ろうとは思いもかけなかったという。あとになってそれを知った時は実に彼も恐縮した。彼の述懐はそこから始まる。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)