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壞
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くづ
ふりがな文庫
“
壞
(
くづ
)” の例文
新字:
壊
何のことはない、私の錯覺と
壞
(
くづ
)
れかかつた街との二重寫しである。そして私はその中に現實の私自身を見失ふのを樂しんだ。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
ともすれば
壞
(
くづ
)
れやうとする膝を掻き合はせては少しづつ身を進ませて、汗を拭いて、一生懸命になつて聽き入つて居る。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
下
(
した
)
からして
一側
(
ひとかは
)
も
石
(
いし
)
で
疊
(
たゝ
)
んでないから、
何時
(
いつ
)
壞
(
くづ
)
れるか
分
(
わか
)
らない
虞
(
おそれ
)
があるのだけれども、
不思議
(
ふしぎ
)
にまだ
壞
(
くづ
)
れた
事
(
こと
)
がないさうで、その
爲
(
ため
)
か
家主
(
やぬし
)
も
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
昔
(
むかし
)
の
儘
(
まゝ
)
にして
放
(
はふ
)
つてある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
元來
(
ぐわんらい
)
岸
(
きし
)
の
柳
(
やなぎ
)
の
根
(
ね
)
は、
家々
(
いへ/\
)
の
根太
(
ねだ
)
よりも
高
(
たか
)
いのであるから、
破風
(
はふ
)
の
上
(
うへ
)
で、
切々
(
きれ/″\
)
に、
蛙
(
かはづ
)
が
鳴
(
な
)
くのも、
欄干
(
らんかん
)
の
壞
(
くづ
)
れた、
板
(
いた
)
のはなれ/″\な、
杭
(
くひ
)
の
拔
(
ぬ
)
けた
三角形
(
さんかくけい
)
の
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
に
蘆
(
あし
)
が
茂
(
しげ
)
つて、
蟲
(
むし
)
がすだくのも
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
カピ長 いや、
速
(
はや
)
う
成
(
な
)
るものは
速
(
はや
)
う
壞
(
くづ
)
るゝ。
末
(
すゑ
)
の
頼
(
たの
)
みを
皆
(
みな
)
枯
(
から
)
し、
只
(
たゞ
)
一粒
(
ひとつぶ
)
だけ
殘
(
のこ
)
った
種子
(
たね
)
、
此土
(
このよ
)
で
頼
(
たの
)
もしいは
彼兒
(
あれ
)
ばかりでござる。さりながら、パリスどの、
先
(
ま
)
づ
言寄
(
いひよ
)
って
女
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
をば
動
(
うご
)
かしめされ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
、此時この古き岩こゝにもほかのところにもかく
壞
(
くづ
)
れしなりき —四五
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
なべては
壞
(
くづ
)
れ亂されき、人と生れて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
草間
(
くさま
)
には赤い
影
(
かげ
)
這ふ
壞
(
くづ
)
れ屋に
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
壞
(
くづ
)
れた胸に響くことよ!
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
壞
(
くづ
)
れて騷ぐ松浦や
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
風景にしても
壞
(
くづ
)
れかかつた街だとか、その街にしても
他所他所
(
よそよそ
)
しい表通よりもどこか
親
(
した
)
しみのある
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
自分
(
じぶん
)
の
勝手
(
かつて
)
に
作
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げた
美
(
うつ
)
くしい
未來
(
みらい
)
が、
半分
(
はんぶん
)
壞
(
くづ
)
れかゝつたのを、さも
傍
(
はた
)
の
人
(
ひと
)
の
所爲
(
せゐ
)
ででもあるかの
如
(
ごと
)
く
心
(
こゝろ
)
を
亂
(
みだ
)
してゐる
小六
(
ころく
)
の
歸
(
かへ
)
る
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
は、
暗
(
くら
)
い
玄關
(
げんくわん
)
の
敷居
(
しきゐ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眼
(
ま
)
のあたり佗しげの
徑
(
こみち
)
の
壞
(
くづ
)
れ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
朽ちはてて
壞
(
くづ
)
れゆく
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
壞
部首:⼟
19画
“壞”を含む語句
破壞
崩壞
不壞
壞空
爛壞
破壞力
破壞作用
欠壞
打壞
崩壞物
壞片
壞滅
壞劫
偶像破壞者
倒壞家屋
事壞
不壞金剛