“壊（くづ）” の例文
旧字：壞
築地西本願寺本堂、浅草蔵前閻魔堂、本所霊山寺（りやうせんじ）本堂が壊（くづ）れ、永代橋、大川橋が損じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) ／ 森鴎外(著)
根方（ねかた）の処（ところ）の土（つち）が壊（くづ）れて大鰻（おほうなぎ）を捏（こ）ねたやうな根（ね）が幾筋（いくすぢ）ともなく露（あら）はれた、其（その）根（ね）から一筋（すぢ）の水（みづ）が颯（さつ）と落（お）ちて、地（ぢ）の上（うへ）へ流（なが）れるのが、取（と）つて進（すゝ）まうとする道（みち）の真中（まんなか）に流出（ながれだ）してあたりは一面（めん）。
高野聖 (新字旧仮名) ／ 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
街建てて夜々華やぎし今朝聴けばぐわらぐわらとすでに壊（くづ）しつつあり
黒檜 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)
死（し）と悔恨（くわいこん）の闇擾（みだ）し壊（くづ）れくづるる。
邪宗門 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)