“自壊”の読み方と例文
読み方割合
じかい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
欺瞞ぎまんおし阿諛あゆの声、吏民りみんともに廃頽にまかせ、自壊じかいをいそぎ、滔々とうとう行くところも知らぬありさま……
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えたる国の自壊じかいが始まったのである。年を越えて、ことし弘治二年の四月、浅ましき父子の合戦は、岐阜ぎふの里、長良川ながらがわほとりを、業火ごうかの炎と、血みどろのちまたにして闘い合った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胃液は、もう消化する何物もないのに、まだ主体を生かさんために、胃壁そのものを溶かしはじめた。自壊じかい自給作用である。それはたまらなく不快な嘔吐気はきけと激痛とを発作的に起した。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)