くだ)” の例文
新字:
くもくらからう……みづはものすごしろからう……そら所々ところ/″\さつ藥研やげんのやうなひゞがつて、あられなかから、銀河ぎんがたまくだくがごとほとばしる。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「上にもない——おや、變なことがあるぞ。畑をひどく荒してゐるが——。霜柱しもばしらをこんなにくだいて、土を掘つて何處かへ運んだ樣子だ」
こく——亞尼アンニーかほ——微塵みじんくだけた白色檣燈はくしよくしようとう——あやしふね——双眼鏡さうがんきやうなどがかはる/\ゆめまぼろしと腦中のうちゆうにちらついてたが
乳母 はれ、頭痛づつうがする! あゝ、なんといふ頭痛づつうであらう! あたま粉虀こな/″\くだけてしまひさうにうづくわいの。脊中せなかぢゃ。……そっち/\。
なんといふしづかさだらう!もなくひさしからつゆる。水晶すゐしやうくだけてちるやうに、いやひかりそのものがるやうに……。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
二に曰く人骨の外面ぐわいめんことに筋肉の付着點に刄物はものきづ有り。三に曰く人骨は他動物の遺骨ゐこつと同樣に人工を以てくだかれたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
くだけども女の身と云殊に大金たいきんの事なれば如何とも詮方せんかたなく何分是は淺草なる娘の方へ相談なすにしくことなしとて早々娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
所謂いはゆる敵情偵察てきじようていさつである。敵情てきじようこと/″\くわかつたならば、災禍さいかをひきおこすところのかの暴力ぼうりよくくだくことも出來できよう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
其處そこ廷丁てい/\は石をくらに入んものとあげて二三歩あるくや手はすべつて石はち、くだけてすうぺんになつてしまつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
貴方あなたには子供こども出來できません」とはらつて宣告せんこくした。御米およね無言むごんまゝ、しばらく易者えきしや言葉ことばあたまなかんだりくだいたりした。それからかほげて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ニキタはぱツとけるより、阿修羅王あしゆらわうれたるごとく、兩手りやうてひざでアンドレイ、エヒミチを突飛つきとばし、ほねくだけよと其鐵拳そのてつけん眞向まつかうに、したゝかれかほたゝゑた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「どうしたんだえら、夫婦喧嘩ふうふげんくわでもしたか」醫者いしや毎日まいにち百姓ひやくしやう相手あひてにしてくだけて交際つきあ習慣しふくわんがついてるので、どつしりとおほきな身體からだからかういふ戯談じようだんるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この植物しよくぶつのうちいはくだけてつもつたうへえるものにははなあかくて紅緑こうりよくをもつた優美ゆうびなこまぐさや、鋸葉のこぎりば四出ししゆつしたくきのさきにあか唇形しんけいはながむらがつてゐるみやましほがま
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
つて、それがだいそうぞくする舊貝塚きふかひづか(といふもへんだが)ともおもはれぬ。何故なぜならば、はいこんじて、細密さいみつくだかれたる貝殼かひがらが、貝層中かひそうちうに一せんかくして、またそうしてるからである。
あいちやんはれが心臟しんざうくだけよとばかりおほきな溜息ためいきくのをきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
先生せんせい奥樣おくさまと、夜晝よるひる病床ベツドそばはなれませんでした。そしてくだいて看護かんごをなされました。先生せんせいは「自分じぶんにかはれるものならばよろこんでかはつてやりたい」と沁々しみ/″\、そのとき、わたしにはれました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
愁ふるは、若し粗忽なる男の手にくだけ去らば。——
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
いきほひたけ鼓翼はばたき一搏ひとうちくだき裂くべきか
白鳥 (旧字旧仮名) / ステファヌ・マラルメ(著)
殼もなどかはくだけざるべき
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
流れていはくだくるも
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よるくだくるひゞきあり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
くだけよとつゞけ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人間の力で此密室が押し破れるものだつたら、何處かの羽目をくだいても飛出したであらうが、それとても出來ないことです。
まぶしさうに仰向あをむいた。つきとき川浪かはなみうへ打傾うちかたむき、左右さいう薄雲うすぐもべては、おもふまゝにひかりげ、みづくだいて、十日とをかかげ澄渡すみわたる。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
出港しゆつかうのみぎり白色檣燈はくしよくしやうとうくだけたこと、メシナ海峽かいきようで、一人ひとり船客せんきやくうみおぼれた事等ことなどあだかてんこゝろあつて、今回こんくわい危難きなん豫知よちせしめたやうである。
及び之を打ちくだくに用ゐしならんと考へらるる扁平石へんぺいせきゑん部に赤色料付着す)は遺跡いせきより發見はつけんされし事有るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
愉快ゆくわい! 電車でんしや景氣けいきよくはしす、函嶺はこね諸峰しよほうおくゆかしく、おごそかに、おもてあつしてちかづいてる! かるい、淡々あは/\しいくもおきなるうみうへたゞよふてる、かもめぶ、なみくだける
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
理左衞門は得たりと九助に向ひ其方は言語道斷ごんごだうだんの惡人なり先日獄屋に於て白状致せしを今又然樣さやう空言そらごとを申上ばおのれまたほねくだき肉をひしほにしても云さすぞ少しくあまことばかくれば直樣事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女王樣ぢよわうさま不幸ふかう賓客まらうど死刑しけいにせよとせいぜられる金切聲かなきりごゑきこえました——も一度いちどぶた公爵夫人こうしやくふじんひざくさめをし、あひだ皿小鉢さらこばちまはりにくだけました——ふたゝびグリフォンのさけごゑ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
浪はくだけてすぎけれど
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
千々ちゞに力をくだくとも
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
くつわくだかれ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
「成程、こいつは變だぞ、八。——十手でこれをくだいて見てくれ、中に何んか入つて居るやうだ、——敷居の上で宜いとも」
たちま山岳さんがく鳴動めいどうし、黒烟こくゑん朦朧もうろう立昇たちのぼる、その黒烟こくゑん絶間たえまながめると、猛狒ゴリラ三頭さんとうとも微塵みじんになつてくだんだ、獅子しゝ大半たいはん打斃うちたをれた、途端とたん水兵すいへい
一瀬ひとせひくたきさつくだいて、さわやかにちてながるゝ、桂川かつらがは溪流けいりうを、石疊いしだたみいたみづうへせきなかばまで、足駄穿あしだばきわたつてて、貸浴衣かしゆかたしりからげ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くだき居しに渠等かれら兩人の者は却て私しを疑ひ夫よりして傍輩はうばい中も自然と宜からず成行なりゆき候へども兎角とかく渠等兩人へわたくしの本心を顯しまことを見せて篤と相談さうだんせんと思ふ中すけ十郎郷右衞門兩人は藤五郎藤三郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くだかば碎け河波かはなみ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
老舖しにせの御新造らしくなく派手なのが、今朝起きて見ると、母屋と土藏の間、三尺ほどの狹いところに、頭を打ちくだかれて死んでゐたといふのです。
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
くだいてへば、夜逃よにげ得手えてでも、朝旅あさたび出來できない野郎やらうである。あけがた三時さんじきて、たきたての御飯ごはん掻込かつこんで、四時よじ東京驛とうきやうえきなどとはおもひもらない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
突つかひ棒は苦もなく取れて、百貫近い石の蓋が落ちると、間に挾んだ木の小箱は、微塵みぢんくだかれてしまつたのです。
疾風しつぷうごとけてくだん狂人きちがひが、あしからちう飛乘とびのらうとしたれると、づんとつて、屋根やねよりたかく、火山くわざんいはごと刎上はねあげられて、五體ごたいくだいた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
居候浪人——岩根源左衞門は多勢の後ろから、首だけヒヨロ高い身體を浮かしました、恐ろしくくだけた二本差です。
間近まぢかかくれ、むねふせつて、かへつて、なゝめそらはるかに、一柱いつちうほのほいて眞直まつすぐつた。つゞいて、地軸ちぢくくだくるかとおもすさまじい爆音ばくおんきこえた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分の鑑識に自惚うぬぼれのあつた重兵衞は、それを粉々に打ちくだかなきや我慢が出來なかつたんだらう。他の人が割つたのなら、あれほどひどくはくだかない。
王鎧わうがいどんなものだとつて、これ石崇せきそうしめすや、石崇せきそう一笑いつせうしててつ如意によいもつつてくだく。王鎧わうがいおほいいかる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「死骸の前齒がくだけて居るのを見て、娘のお玉さんも氣が付いたに違ひあるまい、俺達より先に物置に飛んで行つて、昨夜使つた鑿を隱してしまつた」
にしき面影おもかげめた風情ふぜいは、山嶽さんがく色香いろかおもひくだいて、こひ棧橋かけはしちた蒼空あをぞらくも餘波なごりのやうである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それを助けに行つた父親はまたお濠へ落ちて、腦天をくだいて土左衞門になつて居たとしたらどんなもんです
げたこしちあへず、いしうづくまつた。くされ、れて、樹蔭こかげつき斷々きれ/″\に、ほねくだいてらしたれば、片輪車かたわぐるまかげたふして、輪𢌞りんねすごゑがけるさま
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平次はくだけた調子でさう言つて、ひどく硬張こはばつて居る相手の女の表情をほぐしてやらうとするのでした。