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碎
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くだ
ふりがな文庫
“
碎
(
くだ
)” の例文
新字:
砕
雲
(
くも
)
は
暗
(
くら
)
からう……
水
(
みづ
)
はもの
凄
(
すご
)
く
白
(
しろ
)
からう……
空
(
そら
)
の
所々
(
ところ/″\
)
に
颯
(
さつ
)
と
藥研
(
やげん
)
のやうなひゞが
入
(
い
)
つて、
霰
(
あられ
)
は
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
から、
銀河
(
ぎんが
)
の
珠
(
たま
)
を
碎
(
くだ
)
くが
如
(
ごと
)
く
迸
(
ほとばし
)
る。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「上にもない——おや、變なことがあるぞ。畑をひどく荒してゐるが——。
霜柱
(
しもばしら
)
をこんなに
碎
(
くだ
)
いて、土を掘つて何處かへ運んだ樣子だ」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
魔
(
ま
)
の
日
(
ひ
)
魔
(
ま
)
の
刻
(
こく
)
——
亞尼
(
アンニー
)
の
顏
(
かほ
)
——
微塵
(
みじん
)
に
碎
(
くだ
)
けた
白色檣燈
(
はくしよくしようとう
)
——
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
——
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
などが
更
(
かは
)
る/\
夢
(
ゆめ
)
まぼろしと
腦中
(
のうちゆう
)
にちらついて
來
(
き
)
たが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
乳母 はれ、
頭痛
(
づつう
)
がする! あゝ、
何
(
なん
)
といふ
頭痛
(
づつう
)
であらう!
頭
(
あたま
)
が
粉虀
(
こな/″\
)
に
碎
(
くだ
)
けてしまひさうに
疼
(
うづ
)
くわいの。
脊中
(
せなか
)
ぢゃ。……そっち/\。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
なん
)
といふ
靜
(
しづ
)
かさだらう!
絶
(
た
)
え
間
(
ま
)
もなく
庇
(
ひさし
)
から
露
(
つゆ
)
が
散
(
ち
)
る。
水晶
(
すゐしやう
)
が
碎
(
くだ
)
けて
落
(
お
)
ちるやうに、
否
(
いや
)
、
光
(
ひかり
)
そのものが
散
(
ち
)
つ
來
(
く
)
るやうに……。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
二に曰く人骨の
外面
(
ぐわいめん
)
殊
(
こと
)
に筋肉の付着點に
刄物
(
はもの
)
の
疵
(
きづ
)
有り。三に曰く人骨は他動物の
遺骨
(
ゐこつ
)
と同樣に人工を以て
折
(
を
)
り
碎
(
くだ
)
かれたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
碎
(
くだ
)
けども女の身と云殊に
大金
(
たいきん
)
の事なれば如何とも
詮方
(
せんかた
)
なく何分是は淺草なる娘の方へ相談なすに
如
(
しく
)
ことなしとて早々娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
所謂
(
いはゆる
)
敵情偵察
(
てきじようていさつ
)
である。
敵情
(
てきじよう
)
が
悉
(
こと/″\
)
くわかつたならば、
災禍
(
さいか
)
をひき
起
(
おこ
)
すところのかの
暴力
(
ぼうりよく
)
を
打
(
う
)
ち
碎
(
くだ
)
くことも
出來
(
でき
)
よう。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其處
(
そこ
)
で
廷丁
(
てい/\
)
は石を
庫
(
くら
)
に入んものと
抱
(
だ
)
き
上
(
あげ
)
て二三歩
歩
(
ある
)
くや手は
滑
(
すべ
)
つて石は
地
(
ち
)
に
墮
(
お
)
ち、
碎
(
くだ
)
けて
數
(
すう
)
十
片
(
ぺん
)
になつて
了
(
しま
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
貴方
(
あなた
)
には
子供
(
こども
)
は
出來
(
でき
)
ません」と
落
(
お
)
ち
付
(
つ
)
き
拂
(
はら
)
つて
宣告
(
せんこく
)
した。
御米
(
およね
)
は
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まゝ
)
、しばらく
易者
(
えきしや
)
の
言葉
(
ことば
)
を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
噛
(
か
)
んだり
碎
(
くだ
)
いたりした。それから
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ニキタはぱツと
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けるより、
阿修羅王
(
あしゆらわう
)
の
荒
(
あ
)
れたる
如
(
ごと
)
く、
兩手
(
りやうて
)
と
膝
(
ひざ
)
でアンドレイ、エヒミチを
突飛
(
つきとば
)
し、
骨
(
ほね
)
も
碎
(
くだ
)
けよと
其鐵拳
(
そのてつけん
)
を
眞向
(
まつかう
)
に、
健
(
したゝ
)
か
彼
(
かれ
)
の
顏
(
かほ
)
を
敲
(
たゝ
)
き
据
(
す
)
ゑた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「どうしたんだえ
此
(
こ
)
ら、
夫婦喧嘩
(
ふうふげんくわ
)
でもしたか」
醫者
(
いしや
)
は
毎日
(
まいにち
)
百姓
(
ひやくしやう
)
を
相手
(
あひて
)
にして
碎
(
くだ
)
けて
交際
(
つきあ
)
ふ
習慣
(
しふくわん
)
がついて
居
(
ゐ
)
るので、どつしりと
大
(
おほ
)
きな
身體
(
からだ
)
からかういふ
戯談
(
じようだん
)
も
出
(
で
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
植物
(
しよくぶつ
)
のうち
岩
(
いは
)
の
碎
(
くだ
)
けて
積
(
つも
)
つた
上
(
うへ
)
に
生
(
は
)
えるものには
花
(
はな
)
が
赤
(
あか
)
くて
紅緑
(
こうりよく
)
の
葉
(
は
)
をもつた
優美
(
ゆうび
)
なこまぐさや、
鋸葉
(
のこぎりば
)
の
四出
(
ししゆつ
)
した
莖
(
くき
)
のさきに
赤
(
あか
)
い
唇形
(
しんけい
)
の
花
(
はな
)
がむらがつてゐるみやましほがま
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
と
云
(
い
)
つて、それが
第
(
だい
)
三
紀
(
き
)
層
(
そう
)
に
屬
(
ぞく
)
する
舊貝塚
(
きふかひづか
)
(といふも
變
(
へん
)
だが)とも
思
(
おも
)
はれぬ。
何故
(
なぜ
)
ならば、
灰
(
はい
)
を
混
(
こん
)
じて、
細密
(
さいみつ
)
に
碎
(
くだ
)
かれたる
貝殼
(
かひがら
)
が、
貝層中
(
かひそうちう
)
に一
線
(
せん
)
を
畫
(
かく
)
して、
又
(
また
)
層
(
そう
)
を
成
(
な
)
して
居
(
ゐ
)
るからである。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
其
(
そ
)
れが
其
(
そ
)
の
心臟
(
しんざう
)
も
碎
(
くだ
)
けよとばかり
大
(
おほ
)
きな
溜息
(
ためいき
)
を
吐
(
つ
)
くのを
聞
(
き
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
先生
(
せんせい
)
は
奥樣
(
おくさま
)
と、
夜晝
(
よるひる
)
、
病床
(
ベツド
)
の
側
(
そば
)
を
離
(
はな
)
れませんでした。そして
身
(
み
)
を
碎
(
くだ
)
いて
看護
(
かんご
)
をなされました。
先生
(
せんせい
)
は「
自分
(
じぶん
)
にかはれるものならば
喜
(
よろこ
)
んで
代
(
かは
)
つてやりたい」と
沁々
(
しみ/″\
)
、その
時
(
とき
)
、わたしに
言
(
ゆ
)
はれました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
愁ふるは、若し粗忽なる男の手に
碎
(
くだ
)
け去らば。——
そぞろごと
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
き
鼓翼
(
はばたき
)
の
一搏
(
ひとうち
)
に
碎
(
くだ
)
き裂くべきか
白鳥
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
殼もなどかは
碎
(
くだ
)
けざるべき
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
流れて
巖
(
いは
)
に
碎
(
くだ
)
くるも
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夜
(
よる
)
碎
(
くだ
)
くる
響
(
ひゞき
)
あり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
碎
(
くだ
)
けよと
乱
(
つゞけ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
人間の力で此密室が押し破れるものだつたら、何處かの羽目を
踏
(
ふ
)
み
碎
(
くだ
)
いても飛出したであらうが、それとても出來ないことです。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
眩
(
まぶ
)
しさうに
仰向
(
あをむ
)
いた。
月
(
つき
)
は
時
(
とき
)
に
川浪
(
かはなみ
)
の
上
(
うへ
)
に
打傾
(
うちかたむ
)
き、
左右
(
さいう
)
に
薄雲
(
うすぐも
)
の
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べては、
思
(
おも
)
ふまゝに
光
(
ひかり
)
を
投
(
な
)
げ、
水
(
みづ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
十日
(
とをか
)
の
影
(
かげ
)
が
澄渡
(
すみわた
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出港
(
しゆつかう
)
のみぎり
白色檣燈
(
はくしよくしやうとう
)
の
碎
(
くだ
)
けた
事
(
こと
)
、メシナ
海峽
(
かいきよう
)
で、
一人
(
ひとり
)
の
船客
(
せんきやく
)
が
海
(
うみ
)
に
溺
(
おぼ
)
れた
事等
(
ことなど
)
、
恰
(
あだか
)
も
天
(
てん
)
に
意
(
こゝろ
)
あつて、
今回
(
こんくわい
)
の
危難
(
きなん
)
を
豫知
(
よち
)
せしめた
樣
(
やう
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
及び之を打ち
碎
(
くだ
)
くに用ゐしならんと考へらるる
扁平石
(
へんぺいせき
)
(
縁
(
ゑん
)
部に赤色料付着す)は
遺跡
(
いせき
)
より
發見
(
はつけん
)
されし事有るなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
愉快
(
ゆくわい
)
!
電車
(
でんしや
)
が
景氣
(
けいき
)
よく
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
す、
函嶺
(
はこね
)
諸峰
(
しよほう
)
は
奧
(
おく
)
ゆかしく、
嚴
(
おごそ
)
かに、
面
(
おもて
)
を
壓
(
あつ
)
して
近
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
る!
輕
(
かる
)
い、
淡々
(
あは/\
)
しい
雲
(
くも
)
が
沖
(
おき
)
なる
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
漂
(
たゞよ
)
ふて
居
(
を
)
る、
鴎
(
かもめ
)
が
飛
(
と
)
ぶ、
浪
(
なみ
)
が
碎
(
くだ
)
ける
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
理左衞門は得たりと九助に向ひ其方は
言語道斷
(
ごんごだうだん
)
の惡人なり先日獄屋に於て白状致せしを今又
然樣
(
さやう
)
の
空言
(
そらごと
)
を申上ば
汝
(
おのれ
)
又
(
また
)
骨
(
ほね
)
を
碎
(
くだ
)
き肉を
醢
(
ひしほ
)
にしても云さすぞ少しく
甘
(
あま
)
き
詞
(
ことば
)
を
懸
(
かく
)
れば直樣事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
其
(
そ
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
賓客
(
まらうど
)
を
死刑
(
しけい
)
にせよと
命
(
せい
)
ぜられる
金切聲
(
かなきりごゑ
)
も
聞
(
きこ
)
えました——も
一度
(
いちど
)
豚
(
ぶた
)
の
仔
(
こ
)
が
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
の
膝
(
ひざ
)
に
居
(
ゐ
)
て
嚏
(
くさめ
)
をし、
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
、
皿小鉢
(
さらこばち
)
が
其
(
そ
)
の
周
(
まは
)
りに
碎
(
くだ
)
けました——
再
(
ふたゝ
)
びグリフォンの
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
浪は
碎
(
くだ
)
けてすぎけれど
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
千々
(
ちゞ
)
に力を
碎
(
くだ
)
くとも
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
轡
(
くつわ
)
は
噛
(
か
)
み
碎
(
くだ
)
かれ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「成程、こいつは變だぞ、八。——十手でこれを
碎
(
くだ
)
いて見てくれ、中に何んか入つて居るやうだ、——敷居の上で宜いとも」
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
忽
(
たちま
)
ち
山岳
(
さんがく
)
鳴動
(
めいどう
)
し、
黒烟
(
こくゑん
)
朦朧
(
もうろう
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
る、
其
(
その
)
黒烟
(
こくゑん
)
の
絶間
(
たえま
)
に
眺
(
なが
)
めると、
猛狒
(
ゴリラ
)
は
三頭
(
さんとう
)
共
(
とも
)
微塵
(
みじん
)
になつて
碎
(
くだ
)
け
死
(
し
)
んだ、
獅子
(
しゝ
)
も
大半
(
たいはん
)
は
打斃
(
うちたを
)
れた、
途端
(
とたん
)
に
水兵
(
すいへい
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一瀬
(
ひとせ
)
を
低
(
ひく
)
い
瀧
(
たき
)
に
颯
(
さつ
)
と
碎
(
くだ
)
いて、
爽
(
さわや
)
かに
落
(
お
)
ちて
流
(
なが
)
るゝ、
桂川
(
かつらがは
)
の
溪流
(
けいりう
)
を、
石疊
(
いしだたみ
)
で
堰
(
せ
)
いた
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
を
堰
(
せき
)
の
其
(
そ
)
の
半
(
なか
)
ばまで、
足駄穿
(
あしだばき
)
で
渡
(
わた
)
つて
出
(
で
)
て、
貸浴衣
(
かしゆかた
)
の
尻
(
しり
)
からげ。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
碎
(
くだ
)
き居しに
渠等
(
かれら
)
兩人の者は却て私しを疑ひ夫よりして
傍輩
(
はうばい
)
中も自然と宜からず
成行
(
なりゆき
)
候へども
兎角
(
とかく
)
渠等兩人へ
私
(
わたく
)
しの本心を顯し
實
(
まこと
)
を見せて篤と
相談
(
さうだん
)
せんと思ふ中
佐
(
すけ
)
十郎郷右衞門兩人は藤五郎藤三郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
碎
(
くだ
)
かば碎け
河波
(
かはなみ
)
よ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
老舖
(
しにせ
)
の御新造らしくなく派手なのが、今朝起きて見ると、母屋と土藏の間、三尺ほどの狹いところに、頭を打ち
碎
(
くだ
)
かれて死んでゐたといふのです。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
碎
(
くだ
)
いて
言
(
い
)
へば、
夜逃
(
よにげ
)
は
得手
(
えて
)
でも、
朝旅
(
あさたび
)
の
出來
(
でき
)
ない
野郎
(
やらう
)
である。あけ
方
(
がた
)
の
三時
(
さんじ
)
に
起
(
お
)
きて、たきたての
御飯
(
ごはん
)
を
掻込
(
かつこ
)
んで、
四時
(
よじ
)
に
東京驛
(
とうきやうえき
)
などとは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
突つかひ棒は苦もなく取れて、百貫近い石の蓋が落ちると、間に挾んだ木の小箱は、
微塵
(
みぢん
)
に
碎
(
くだ
)
かれてしまつたのです。
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疾風
(
しつぷう
)
の
如
(
ごと
)
く
駈
(
か
)
けて
來
(
き
)
た
件
(
くだん
)
の
狂人
(
きちがひ
)
が、
脚
(
あし
)
から
宙
(
ちう
)
で
飛乘
(
とびの
)
らうとした
手
(
て
)
が
外
(
そ
)
れると、づんと
鳴
(
な
)
つて、
屋根
(
やね
)
より
高
(
たか
)
く、
火山
(
くわざん
)
の
岩
(
いは
)
の
如
(
ごと
)
く
刎上
(
はねあ
)
げられて、
五體
(
ごたい
)
を
碎
(
くだ
)
いた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
居候浪人——岩根源左衞門は多勢の後ろから、首だけヒヨロ高い身體を浮かしました、恐ろしく
碎
(
くだ
)
けた二本差です。
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
間近
(
まぢか
)
な
火
(
ひ
)
は
樹
(
き
)
に
隱
(
かく
)
れ、
棟
(
むね
)
に
伏
(
ふせ
)
つて、
却
(
かへ
)
つて、
斜
(
なゝめ
)
の
空
(
そら
)
はるかに、
一柱
(
いつちう
)
の
炎
(
ほのほ
)
が
火
(
ひ
)
を
捲
(
ま
)
いて
眞直
(
まつすぐ
)
に
立
(
た
)
つた。
續
(
つゞ
)
いて、
地軸
(
ちぢく
)
も
碎
(
くだ
)
くるかと
思
(
おも
)
ふ
凄
(
すさま
)
じい
爆音
(
ばくおん
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分の鑑識に
自惚
(
うぬぼれ
)
のあつた重兵衞は、それを粉々に打ち
碎
(
くだ
)
かなきや我慢が出來なかつたんだらう。他の人が割つたのなら、あれほどひどくは
碎
(
くだ
)
かない。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
王鎧
(
わうがい
)
どんなものだと
云
(
い
)
つて、
是
(
これ
)
を
石崇
(
せきそう
)
に
示
(
しめ
)
すや、
石崇
(
せきそう
)
一笑
(
いつせう
)
して
鐵
(
てつ
)
如意
(
によい
)
を
以
(
もつ
)
て
撃
(
う
)
つて
碎
(
くだ
)
く。
王鎧
(
わうがい
)
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
る。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「死骸の前齒が
碎
(
くだ
)
けて居るのを見て、娘のお玉さんも氣が付いたに違ひあるまい、俺達より先に物置に飛んで行つて、昨夜使つた鑿を隱してしまつた」
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錦
(
にしき
)
に
面影
(
おもかげ
)
を
留
(
と
)
めた
風情
(
ふぜい
)
は、
山嶽
(
さんがく
)
の
色香
(
いろか
)
に
思
(
おもひ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
戀
(
こひ
)
の
棧橋
(
かけはし
)
を
落
(
お
)
ちた
蒼空
(
あをぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
餘波
(
なごり
)
のやうである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それを助けに行つた父親はまたお濠へ落ちて、腦天を
碎
(
くだ
)
いて土左衞門になつて居たとしたらどんなもんです
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
曲
(
ま
)
げた
腰
(
こし
)
も
立
(
た
)
ちあへず、
石
(
いし
)
を
噛
(
か
)
む
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
に
蹲
(
うづく
)
まつた。
草
(
くさ
)
も
荒
(
あ
)
れ、
地
(
ち
)
も
破
(
わ
)
れて、
樹蔭
(
こかげ
)
を
洩
(
も
)
る
月
(
つき
)
斷々
(
きれ/″\
)
に、
骨
(
ほね
)
を
碎
(
くだ
)
いて
散
(
ち
)
らしたれば、
片輪車
(
かたわぐるま
)
の
影
(
かげ
)
を
倒
(
たふ
)
して、
輪𢌞
(
りんね
)
を
凄
(
すご
)
く
描
(
ゑが
)
ける
其
(
そ
)
の
状
(
さま
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は
碎
(
くだ
)
けた調子でさう言つて、ひどく
硬張
(
こはば
)
つて居る相手の女の表情をほぐしてやらうとするのでした。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
碎
部首:⽯
13画
“碎”を含む語句
打碎
粉碎
不碎候
噛碎
碎心
碎片
碎砂機
碎麻機
粉骨碎身
頭碎